アルファードの20系と30系で乗り心地はどう違う?足回りの進化と世代間比較
こんにちは。アルヴェル&ハイエース完全ガイド 運営者の「ホシ」です。
中古でアルファードを探す際、20系と30系の乗り心地の差が気になるところでしょう。
実はリアの足回り構造が刷新されたことで、後席の揺れや長距離の疲れ方に明確な違いが生まれています。
今回は自動車部品プロの視点から、世代別の進化と後悔しない選び方を詳しく見ていきましょう。
この記事のポイント
- 20系トーションビーム式と30系ダブルウィッシュボーン式の差
- 2列目や3列目で体感する段差の突き上げ感と横揺れの違い
- 中古車で注意したいショック抜けやブッシュ劣化の交換費用
- 購入予算や海外輸出リセールを踏まえた後悔しない世代選び
アルファードの20系と30系の乗り心地の違い
アルファードの20系(2008年〜2015年)と30系(2015年〜2023年)を乗り比べたとき、もっとも大きな進化を感じるのは「段差を乗り越えた瞬間の衝撃のいなし方」と「高速道路でのフラットな姿勢変化」です。

私自身、自動車部品メーカーのセールスとして両世代のサスペンション構造や消耗パーツを数多く扱い、さらに東京と山梨を往復する中央道や山道で20系・30系の双方をじっくり走らせてきました。
まずはカタログの数値だけでは分かりにくいリアサスペンションの物理的な構造差から、2列目・3列目での揺れ方の違い、ボディ剛性や静粛性の進化まで順番に解き明かしていきましょう。
トーションビームと独立懸架のリア足回り構造差
20系アルファードと30系アルファードの乗り心地を決定づけている最大の要因は、後ろのタイヤを支える「リアサスペンション(後輪懸架装置)の設計方式」が根本から別物に変わったことにあります。
両世代ともフロント(前輪)には「マクファーソンストラット式」という共通の独立サスペンションが使われていますが、家族がくつろぐ2列目・3列目シートの真下にあるリアサスペンションの仕組みが180度異なるのです。
まず20系アルファードのリアには、左右のトレーリングアームを1本の太い鉄の梁(クロスビーム)でつないだ「トーションビーム式コイルスプリング」が採用されていました。
このトーションビーム式は、部品点数が少なくてコストを抑えられ、さらにサスペンションが横に張り出さないため荷室や床下収納を広く作れるというミニバン向きのメリットを持っています。
しかし構造上、左右の後輪が1本のビームでつながっているため、左後ろのタイヤだけがマンホールや路面のくぼみを踏んだとき、その衝撃と角度の変化がビームを伝って右後ろのタイヤへも連動してしまい、車体全体が左右に揺さぶられやすいという弱点があったのです。
そこでトヨタは、2015年1月に発売した30系アルファードにおいて、リアの足回りを新開発の「ダブルウィッシュボーン式サスペンション(左右独立懸架)」へと全面刷新しました(出典:トヨタ自動車公式ニュースルーム『TOYOTA、アルファードならびにヴェルファイアをフルモデルチェンジ』)。
ダブルウィッシュボーン式は、クラウンなどの高級セダンにも使われる贅沢な構造で、上下のアームが左右それぞれのタイヤを完全に独立して支える仕組みになっています。
これにより、片方の後輪が大きな段差を乗り越えても、段差を踏んだ側のサスペンションだけがしなやかに縮んで衝撃を吸収し、反対側のタイヤや車体フロアには揺れをほとんど伝えないフラットな乗り味が実現されました。
部品屋の目線から見ても、車重が2トンを超える大型ミニバンにおいてリアがトーションビームからダブルウィッシュボーンへ進化したことは、商用バンに近い骨格から本物の高級サルーンへと生まれ変わった歴史的な転換点だと言えますね。
2列目と3列目で感じる段差の突き上げと横揺れ
リアサスペンションの構造差は、運転席(1列目)に座っているとき以上に、ご家族やゲストが座る「2列目シート」および後輪の真上に位置する「3列目シート」で劇的な体感差となって現れます。

中古車の試乗では運転席だけで判断してしまいがちですが、前輪の間近に座る1列目と、後輪の動きを直接受ける2列目・3列目とでは、揺れの質がまったく違う点に注意しなければなりません。
20系アルファードの2列目や3列目に座って街中の荒れた舗装や橋の継ぎ目を通過すると、段差を越えた瞬間に下から「ドンッ」とやや角のある突き上げが伝わり、その直後に車体が「ユサユサッ」と斜め横方向に揺り返す動きを感じやすくなっています。
とくに店舗へ入る歩道の段差を斜めに乗り上げたときなど、左右の後輪が交互に上下する場面では、トーションビームのねじれ反発によって頭が左右に振られやすく、お子さんや奥様が車酔いする原因になりがちでした。
一方、30系の2列目・3列目で同じ段差を通過すると、段差をいなす音が「トン、タタン」と丸みを帯びた低い音に変わり、突き上げの角がきれいに丸められていることに気づくでしょう。
| 座席位置・走行場面 | 20系(トーションビーム式) | 30系(ダブルウィッシュボーン式) |
|---|---|---|
| 1列目(運転席・助手席) | 視界は高いが段差後に後ろから揺れが伝わる | 操舵の剛性感が高く前後の一体感がある |
| 2列目シート(通常走行) | 片輪段差やうねりで左右の揺り返しが出やすい | 左右独立して衝撃を吸収し目線が安定する |
| 3列目シート(後輪真上) | 突き上げと床面の微振動が直接伝わりやすい | 足回りがしなやかに動き長時間でも疲れにくい |
| 歩道段差の斜め進入時 | 車体後部が左右へ揺さぶられ揺り返しが残る | 1回の伸縮でピタッと収まり姿勢が乱れない |
表の通り、30系では2列目シートの土台フレーム自体の剛性も高められ、クッション内部に低反発ウレタンが採用されたことで、腰に伝わる微振動が約3割以上軽減されています。
もしあなたが「週末は3列目まで家族を乗せる」「子どもが横揺れで車酔いしやすい」という状況であれば、後席の突き上げと揺り返しを根っこから抑え込んだ30系を選ぶ価値は非常に大きいですよ。
ボディ剛性と遮音材の進化による静粛性の比較
サスペンションの形式と並んで、乗り心地の「上質感」を大きく左右するのが、車体骨格の硬さである「ボディ剛性」と、車内に侵入する音を防ぐ「遮音・吸音構造」の進化でしょう。
そもそもミニバンという車は、両側に大きなスライドドアの穴が開き、後ろにもバックドアの開口部があるため、セダンに比べるとどうしても箱のようにボディがねじれやすい宿命を持っています。
ボディが走行中の入力でたわんでしまうと、サスペンションが動く前に床板自体が太鼓の皮のように「ブルブルッ」と震える現象が起き、乗り心地の悪さやこもり音として乗員に伝わってしまうのです。
20系も当時のミニバンとしては高い静粛性を備えていましたが、現在の基準で比べると、荒れた舗装路でリアタイヤハウスから「ゴーッ」というロードノイズが入りやすく、段差通過時に微振動を感じることがあります。
これに対して30系では、トヨタ公式の歴代進化資料にも明記されている通り、高張力鋼板を広く採用してスポット溶接の打点を増やし、さらにパネル同士の隙間に「構造用接着剤」を塗布する先進技術が導入されました(出典:トヨタ自動車公式ニュースルーム『新型アルファード・ヴェルファイア 歴代パッケージと足回りの進化』)。
溶接だけでなく接着剤によって「面」でパネルを結合したことで、車体のねじり剛性が飛躍的に向上し、大きな段差を乗り越えてもフロアがブルブルと震える不快な微振動が見事に封じ込められたのです。
さらに30系では、ダッシュサイレンサーの遮音層やフロアカーペット裏の吸音フェルト、フェンダーライナーの防音材も入念に配置されました。
とくに2018年1月登場の「30系後期型」では、構造用接着剤の塗布範囲が拡大され、ガラスやスライドドア周辺の遮音性も高められたため、高速道路を時速100キロで走りながらでも1列目と3列目で小声のまま会話ができる静けさを手に入れています。
音の静かさはそのまま「乗り心地のなめらかさ」として感じられるため、ロードノイズや微振動の少なさにおいても20系から30系への進化は一目瞭然だと言えるでしょう。
高速道路や山道の長距離運転における疲労度の差
私は仕事と家族生活のため、東京都内と山梨県の間を中央道や峠道で毎週のように往復していますが、片道100キロを超える長距離ドライブに出かけると、20系と30系の「運転手の疲れにくさ」の違いが身体にはっきりと現れます。
なぜ長距離運転で疲労度に差がつくのかというと、その鍵は「車体の重心高(低床化パッケージ)」と「高速レーンチェンジや山道カーブでのロール(車体の傾き)の収まり方」にあるのです。

実は30系アルファードは、20系と比べて室内高(1,400ミリメートル)を犠牲にしないまま、フロアを低く設計することで全高を10ミリメートル下げ、重心をグッと低くすることに成功しています。
20系で高速道路のカーブや風の吹く橋の上を走ると、腰高感があるため車体が外側に傾きやすく、車線変更のあとにリア側が遅れて「ゆり戻し」を起こすため、ドライバーは無意識のうちにハンドルを細かく修正し続けなければなりません。
この「無意識の微修正舵」が2時間、3時間と積み重なることで、目的地に着いたときに肩や腰にじわじわと疲れが溜まってくるわけですね。
それに対して30系は、低重心ボディとリアのダブルウィッシュボーン式足回りが4つのタイヤを路面にピタッと押し付けるため、高速道路の継ぎ目を越えても直進性が乱れず、手を添えているだけでまっすぐ走る安心感があります。
また、山梨県内の山道のような連続するコーナーでも、30系はハンドルを切った瞬間から遅れなくノーズが向きを変え、リアタイヤが踏ん張ってくれるため、背の高いミニバンであることを忘れるほど自然な姿勢で曲がっていけるでしょう。
さらに見逃せないのが運転支援の差で、全車速追従レーダークルーズコントロールと車線維持支援が備わった30系後期であれば、高速道路の渋滞や長距離巡航でペダルやハンドル操作の負荷を大幅に減らせる点も大きな魅力です。
往復300キロ以上のロングドライブを終えたときの身体の軽さは、足回りの直進安定性と先進安全装備が融合した30系に大きなアドバンテージがあると実感しています。
前期と後期やグレードで変わるシートの座り心地
ここまで20系と30系の基本構造の違いを見てきましたが、実は同じ世代の中でも「前期型と後期型」や「7人乗り上位グレードと8人乗りベースグレード」、さらには「純正ホイールのインチ数」によって乗り味のキャラクターが異なるのです。
まず20系(前期:2008年〜2011年/後期:2011年〜2015年)で比較すると、後期型ではショックの減衰力チューニングが見直され、前期型で指摘されていた街乗りでのゴツゴツ感が少しマイルドに熟成されました。
ただし、20系のエアログレード(240S等)に装着されている「18インチタイヤ(235/50R18)」はゴムの厚み(扁平率50%)が薄いため、乗り心地の柔らかさを最優先するなら、標準ボディの240Xや240Gに装着されている「16インチ(215/65R16)」や「17インチ(215/60R17)」の方がタイヤ自体がクッションになって当たりが優しいという特徴があります。
この関係は30系でも同様で、エアログレード(2.5S等)の18インチ仕様は見た目が引き締まってハンドリングが軽快な反面、標準系グレード(2.5Gや2.5X、ハイブリッド車)の17インチ(225/60R17)や16インチ仕様の方が、路面の細かいひび割れをふんわりと吸収してくれるのです。
そしてもう1つ、身体が直接触れる「2列目シートのクッション構造と表皮」の差も乗り心地に直結する重要ポイントでしょう。
両世代ともに、7人乗りの上位グレード(20系240S“Cパッケージ”や30系2.5S“Cパッケージ”等)には、オットマンと大型ヘッドレストを備えた豪華な「エグゼクティブパワーシート」が搭載されています。
とりわけ30系のエグゼクティブパワーシートは、シート骨格を新設計して共振周波数を内臓が揺れにくい領域へとずらし、背中から太もも裏までを包み込む多層ウレタン構造を採用したことで、20系よりも体圧分散性が格段に向上しているのです。
また30系の中でも、2018年1月以降の後期型で「2.5S“Cパッケージ”」を選べば、滑らかな合成皮革表皮と電動リクライニング・オットマンが標準装備され、足回りの進化とシートの快適性の両方を高次元で味わうことができますよ。
アルファードの20系と30系を乗り心地で選ぶ
新車当時の性能で比べれば30系アルファードの方が乗り心地で優位に立つのは間違いありませんが、私たちが今購入するのは「数年〜10年以上が経過した中古車」であるという現実を忘れてはいけません。
どれほど優れたダブルウィッシュボーン式サスペンションを持つ30系であっても、足回りのショックアブソーバーが抜けていたり、硬化した古いタイヤを履いていたりすれば、本来の快適な乗り心地は半分も発揮できないからです。
ここからは自動車部品プロの目線で、中古の20系・30系を選ぶ際に必ずチェックすべき足回り消耗部品と交換費用、タイヤや空気圧で乗り味を劇的に改善するテクニック、そして車両価格と海外輸出リセールを踏まえた世代選びの結論をお伝えします。
中古車で注意したい足回り部品の消耗と交換費用
車両重量が約2トンにおよぶアルファードの中古車を購入する際、もっとも警戒すべき落とし穴が「ショックアブソーバーの減衰力抜け」と「ゴムブッシュ・マウント類の経年劣化」です。
20系は最終モデルの2014年〜2015年式でもすでに10年以上が経過しており、30系も前期型(2015年〜2017年式)を中心に走行距離が6万〜10万キロを超えている個体が多く流通しています。

サスペンションの金属バネ自体は10万キロ走っても折れることは稀ですが、バネの跳ねを抑える「ショックアブソーバー」の内部にはオイルとガスが封入されており、走行5万〜8万キロを過ぎると徐々に減衰力が低下してくるのです。
ショックが寿命(抜け)を迎えると、段差を越えたあとに車体の揺れが1回で止まらず、船のように「フワフワ、ユラユラ」といつまでも上下に揺れ続けたり、大きな段差で底付きして「ガツン!」と衝撃が来たりするようになります。
| 足回りの消耗部品名 | 劣化・寿命のサイン | 交換目安時期・距離 | 部品代+工賃の目安 |
|---|---|---|---|
| 前後ショック一式 | 段差後の揺れ残り・オイル滲み | 7〜10年 / 7〜10万km | 約12万〜18万円 |
| ロアアーム(ブッシュ) | ゴムの深い亀裂・直進性の低下 | 8〜10年 / 8〜10万km | 左右で約4.5万〜7万円 |
| スタビリンク&ブッシュ | 凹凸路でのコトコト・ゴトゴト音 | 5〜7年 / 5〜7万km | 左右で約1.5万〜3万円 |
| ミニバン用静粛タイヤ | ゴム硬化のゴツゴツ感・外減り | 4〜5年 / 3〜4万km | 4本で約8万〜14万円 |
表の通り、もしあなたが車両価格の安い20系後期や走行7万キロ以上の30系前期を購入する場合は、あらかじめ予算に15万〜20万円ほどの「足回りリフレッシュ費用(純正形状ショック+アッパーマウント+スタビリンク交換)」を見込んでおくことが得策でしょう。
このとき、安価な車高調を入れると乗り心地が硬くなりやすいため、トヨタ純正新品ショック、またはKYB(カヤバ)の「NEW SR SPECIAL」や「Extage」といった純正形状の補修用ショックアブソーバーを選ぶことが、新車時のしっとりした乗り味を取り戻す一番の近道ですよ。
タイヤ銘柄や空気圧の調整で乗り味を改善する術
サスペンション本体の交換よりもさらに手軽で、しかも交換したその日の帰り道から乗り心地と静粛性の変化をダイレクトに体感できるのが「タイヤ銘柄の最適化」と「空気圧の適正管理」です。
どれほど高性能なダブルウィッシュボーン式サスペンションであっても、路面と直接触れ合っているのはハガキ4枚分の面積しかない「タイヤのゴム」にほかなりません。
中古車販売店に並んでいるアルファードの中には、残り溝がまだ残っていても、製造から5年以上が経過してゴムがカチカチに硬化したタイヤや、格安タイヤが装着されている車両が多く見られます。
硬化したタイヤのまま走ると、タイヤの側面がたわんで衝撃を吸収することができず、アスファルトのざらつきやマンホールの段差がそのまま「ゴツゴツ、ザーザー」という振動と騒音になって車内へ響き渡ってしまうのです。
アルファードの乗り心地を高めるタイヤ&足回り改善3ステップ
ステップ1:タイヤ空気圧を「車両指定値(冷間240kPa前後)」に合わせる
270kPa以上に入れすぎた空気圧を運転席ドア開口部の指定値(240kPa等)へ戻すだけで、段差の跳ねが収まります。
ステップ2:「ミニバン専用のコンフォートタイヤ」へ履き替える
REGNOやBluEarth-RV、TRANPATH LuIIなど、ふらつき防止と静粛性を両立した専用銘柄を選びます。
ステップ3:4輪アライメント調整で直進性と接地感を整える
4輪の取り付け角度をミリ単位で調整し、タイヤの片減りを防いで高速道路での直進安定性を回復させます。
図解のステップ2で挙げた「ミニバン専用タイヤ」がなぜ重要かというと、セダン用の柔らかいタイヤを履かせると、車重と背の高さに負けてカーブでふらつきが出やすいからでしょう。
その点、ミニバン専用設計のプレミアムタイヤであれば、外側のショルダー剛性を高めて2列目・3列目の横揺れを抑えつつ、特殊ゴム配合によってロードノイズを大幅にカットしてくれるため、20系でも静かでマイルドな乗り味を手に入れられます。
さらに、大径の社外20インチホイール装着車から、純正の17インチ(225/60R17)または16インチ(215/65R16)へとインチダウンして空気の層を増やすことも、突き上げ解消に効果てきめんの方法ですよ。
車両価格と海外輸出リセールから見る世代の選択
ここまで20系と30系の足回り構造やメンテナンスを見てきましたが、あなたがどちらの世代を選ぶべきかを決めるうえで大切な判断軸が「購入時の車両価格と売却時のリセール(残価率)のバランス」でしょう。
現在の中古市場において、20系(後期・240S等)は車両本体が約100万〜190万円前後と手頃で、初期費用を200万円以下に抑えて乗りたい方には魅力的な選択肢に見えます。
一方、30系は前期で約220万〜310万円前後、後期(2.5S“Cパッケージ”等)で約310万〜460万円前後が中心相場となっており、購入時の支払額だけを見れば20系より高い水準です。
しかし、自動車部品のグローバルセールスとしてお伝えしたいのが、「買った値段から売った値段を引いた『実質的な負担額』で計算すると、実は30系アルファードの方がお得になるケースが少なくない」という輸出相場の仕組みにほかなりません。
あなたの予算と乗り方に合うのはどっち?20系vs30系の世代選び判定基準
パターンA:「30系アルファード(とくに後期型)」を選ぶべき人
・後席に座る家族の車酔いを防ぎ、ダブルウィッシュボーン式のフラットな乗り心地を最優先したい方
・長距離移動が多く、高い静粛性と第2世代Toyota Safety Senseの運転支援で疲労を減らしたい方
・売却時も海外輸出需要による高いリセール(資産価値)を活かして賢く乗り換えたい方
パターンB:「20系アルファード(後期型+足回り整備)」を選ぶべき人
・初期予算を総額150万〜200万円以内に抑え、現金一括でアルファードを所有したい方
・購入後にKYB製ショックや専用タイヤへリフレッシュ整備して乗る楽しみを味わいたい方
・査定額は気にせず、これから5年〜8年かけて15万キロ以上までじっくり乗り潰す計画の方
20系は新車登録から11年〜18年が経過して輸出国の年式規制から外れつつあり、数年乗ったあとの売却査定は数十万円へと落ち着いていきます。
それに対して30系(とくに海外人気の高い2.5S“Cパッケージ”のパールやブラック)は、現在でも東南アジアや東アフリカ、中東諸国からの輸出引き合いが旺盛であり、数年乗って手放す際にも驚くほど高い買取査定額が残りやすいという特徴があるのです。
つまり、初期費用の安さと乗り潰し前提なら「20系後期+足回り整備」が賢い選択になり、後席の快適な乗り心地と安全装備、そして売却時の高い資産価値までトータルで考えるなら「30系(できれば後期型)」を選ぶ方が満足度も経済性も高くなるというわけですね。
世代別の足回りや維持に関するよくある質問回答
ここでは、20系アルファードと30系アルファードの乗り心地や足回りメンテナンスに関して、読者のあなたからよくいただく質問にQ&A形式で回答します。
ガソリン車とハイブリッド車の乗り味の違いや4WDモデルの挙動、さらに中古車試乗時のチェックポイントまで、購入前に気になる疑問を解消しておきましょう。
Q1. 20系・30系ともに、ガソリン車とハイブリッド車で乗り心地に違いはありますか?
A. はい、違いがあります。ハイブリッド車は駆動用バッテリーやリアモーターを搭載しているためガソリン車より約100〜150kg重く、凹凸を上から押さえ込むような重厚で落ち着いた乗り味になります。一方、ショックへの負荷は大きいため、中古車では足回りのヘタリ具合を入念に確認するのがポイントです。
Q2. 30系の前期型(2015年〜2017年)と後期型(2018年〜2023年)でも乗り心地は変わりますか?
A. リアがダブルウィッシュボーン式である基本構造は共通ですが、2018年1月登場の後期型ではパネルを接合する「構造用接着剤」の塗布範囲が拡大され、ショックの減衰力特性もしなやかに熟成されました。その結果、後期型の方が段差通過後のフロアの収まりや高速巡航時の静粛性が一段と向上しています。
Q3. 雪国や山道で乗るため4WD(またはE-Four)を検討していますが、2WDと乗り心地は違いますか?
A. 2WD(FF)と比べると、4WDはリアデフやドライブシャフトが備わる分だけリア周りの重量が増すため、後輪の跳ねが抑えられてどっしりとした安定感が出やすい傾向があります。ただし20系の4WDもリア足回りはトーションビーム式ベースとなるため、後席の左右独立した動きを求めるなら30系の4WDが快適です。
Q4. 中古車販売店で試乗できない展示車の場合、どうやって足回りの状態を見分ければいいですか?
A. まずタイヤの銘柄と製造年週(4桁の数字)、偏摩耗の有無を確認してください。そのうえでタイヤの奥をライトで照らし、ショックの黒い筒にオイル滲みや泥の付着がないか、純正サスペンションが維持されているかを目視でチェックするのが確実です。
こうした細かな違いを知っておくだけで、中古車選びの失敗リスクをグッと減らし、コンディションの良い1台を的確に見極めることができますよ。
アルファードの20系と30系の乗り心地まとめ

ここまで、「アルファードの20系と30系で乗り心地はどう違うのか?」というテーマについて、リアサスペンションの構造差から2列目・3列目での揺れ方の違い、中古車の足回りリフレッシュ費用、そして輸出リセールまで詳しく比較してきました。
あらためてこの記事の結論を振り返ると、2列目・3列目に座るご家族の快適性や車酔い防止、長距離高速ドライブでの疲れにくさ、そして売却時の高いリセールバリューを重視するなら「30系アルファード」、初期予算を200万円以下に抑えてショックやタイヤをリフレッシュしながら長く乗り潰したいなら「20系アルファード後期型」が最も納得できる選択となります。
最後に、世代間の乗り心地比較と中古車選びで押さえておきたい4つの重要ポイントをもう一度確認しておきましょう。
1つ目は、20系のリアが左右連結の「トーションビーム式」だったのに対し、30系では左右独立懸架の「ダブルウィッシュボーン式」へと進化し、片輪が段差を踏んだときの斜めの横揺れ(揺り返し)が大幅に解消されたことです。
2つ目は、30系では高張力鋼板の拡大とスポット溶接増し、さらに構造用接着剤の採用によってボディ剛性と遮音性が高まり、段差通過後の床面のブルブルとした微振動やロードノイズが格段に減っているという点でしょう。
3つ目は、走行距離7万〜10万キロを超える中古車ではショックアブソーバーの減衰力抜けやゴムブッシュの劣化が進んでいるため、純正形状ショック(約12万〜18万円)とミニバン専用コンフォートタイヤへの交換で乗り味が見違えるほど若返ることにほかなりません。
そして4つ目は、30系(とくに後期型の2.5S“Cパッケージ”等)は海外輸出市場での人気が活発で、購入価格は高くても売却時の査定額が高値で残りやすいため、実質的な所有コストで見ても非常に優秀な選択肢になることです。
ぜひ今回のチェックポイントを参考に実車の後席にも座ってみて、あなたとご家族がどこまでも快適に笑顔で旅を楽しめる最高のアルファードを手に入れてくださいね。
この記事が、あなたの後悔のないアルファード選びの確かな羅針盤となれば幸いです。


