ヴェルファイアの電動スライドドアから異音!修理費用と対策
こんにちは。アルヴェル&ハイエース完全ガイド 運営者の「ホシ」です。
静かなヴェルファイアの車内で、スライドドアからガタガタやギーギーと異音が鳴ると気になりますね。
実は段差で鳴る音と開閉中に鳴る音では原因が異なり、ワイヤーのほつれを放置すると修理代が10万円を超えるのです。
今回は部品プロの視点で異音の正体と修理相場、給油対策を解説しましょう。
この記事のポイント
- 走行中のガタガタ音と開閉中のギーギー音を見分ける原因診断
- ワイヤーほつれやローラー摩耗を放置した際の高額修理リスク
- ストッパーやワイヤーなど部位別の修理費用相場と比較表
- 556厳禁の理由と自宅でできるレール清掃や給油メンテ手順
ヴェルファイアのスライドドア異音とガタガタの原因
高級サロンにも匹敵する静粛性が魅力のヴェルファイア(20系・30系・新型40系)だからこそ、後席のスライドドア付近から「ガタガタ」「コトコト」「ギーギー」と耳障りな異音が聞こえてくると、せっかくのドライブ気分も台無しになってしまいますよね。

私自身、自動車部品メーカーのセールスとしてドアロックや電動アクチュエーター、ゴムシール部品の摩耗トラブルを数多く見てきましたし、東京と山梨を行き来する高速道路の継ぎ目や山道のカーブでスライドドア周りの微振動を検証してきました。
実はヴェルファイアのスライドドア異音は、「走行中の段差で鳴る音」なのか、それとも「電動で開け閉めしている最中に鳴る音」なのかによって原因パーツがまったく異なるため、まずは4つの発生メカニズムから順番に解き明かしていきましょう。
走行中の段差で鳴るガタガタやコトコト音の正体
まず多くのヴェルファイアオーナーが悩まされるのが、スライドドアが閉まっている状態で、道路の段差や高速道路の継ぎ目を越えた瞬間にBピラー(前席後ろの柱)付近から聞こえる「ガタガタ」「コトコト」という異音です。
この走行中のガタつき音を引き起こしている犯人は、ドア前縁と車体側の柱を噛み合わせて揺れを止めている『スライドドアストッパー(オス側の突起ピンとメス側のゴム受け皿)の摩耗』にほかなりません。
ヴェルファイアのスライドドア異音を見分ける4大発生パターン
パターン1:【走行中の段差】Bピラー付近から「ガタガタ・コトコト」と鳴る
原因:スライドドアストッパー(オス・メス)のゴム摩耗による隙間の増大
パターン2:【走行中のうねり】窓枠周囲から「ミシミシ・キュッキュッ」と鳴る
原因:ウェザーストリップ(防水ゴム)の乾燥・硬化と塗装面の微細な擦れ
パターン3:【電動開閉の最中】レールから「ギーギー・バキッ」と引っかかる音が鳴る
原因:電動駆動用スチールワイヤー(ケーブル)の素線切れや樹脂被覆の剥がれ
パターン4:【開閉中・全閉時】足元やロック部から「ゴロゴロ・ガガガッ」と鳴る
原因:ステップ下ロアローラーの砂利噛み摩耗、またはクローザーのギア欠け
ヴェルファイアは2列目への乗り降りを快適にするため、ボディ側面に広い開口部が設けられており、そこへ片側約45キログラムの重いスライドドアが収まっています。
車が段差や坂道を斜めに通過するとき、ボディ開口部にはわずかな「ねじれ」が生じますが、その際に45キロのドアが暴れないよう上下2箇所ずつ固定しているのが黒いゴム製のスライドドアストッパーなのです。
しかし新車から3年〜5年・走行4万〜6万キロを超えると、ドアの開閉と走行振動でストッパーのゴム座面が擦り減り、ピンと受け皿の間に1ミリ前後の隙間ができてしまいます。
この1ミリの隙間があるせいで、段差を越えるたびに重いドアが上下にガタガタと揺さぶられ、さらにドア周囲の防水ゴム(ウェザーストリップ)が塗装面と擦れて「コトコト」「ミシミシ」と音を鳴らすわけですね。
電動開閉はスムーズなのに「走っているときだけ段差でガタガタ鳴る」のであれば、モーター故障ではなく、数千円のストッパー交換とゴム保護剤の塗布だけで解決できる可能性が高いでしょう。
開閉中に鳴るギーギー音とワイヤーほつれの危険
走行中の段差音とは対照的に、車内のスイッチや外側のドアハンドルを操作して電動スライドドアを開け閉めしている最中に「ギーギー」「ギギギッ」「バキッ!」という金属的な異音が鳴り始めた場合は、一刻も早い点検が必要な危険サインです。

なぜなら、この開閉作動中の異音の多くは、スライドドアを前後に引っ張っている『電動スライドドアケーブル(スチール製ワイヤー)の被覆剥がれや素線切れ(ささくれ)』が原因だからですね。
ヴェルファイアの電動スライドドアは、クォーターパネルやドア内部に収められたモーターが、自転車のブレーキワイヤーのような細いステンレス・スチール撚り線(ケーブル)を前後のドラムで巻き取ることで、約45キログラムもある重いドアを動かしています。
新車時はワイヤーの表面に滑りを良くする黒いナイロン樹脂コーティングが施されていますが、長年の使用でレール内のグリースが切れたり坂道で無理な開閉負荷がかかったりすると、樹脂コーティングがパキパキに割れて剥がれ落ち、中の細い金属ワイヤーが数本プチッと切れてヒゲのように飛び出してしまうのです。
この切れてささくれ立った金属ワイヤーが、方向を変える樹脂プーリー(滑車)やガイドチューブの入り口に引っかかるたび、「ギーギー」「バキッ!」という嫌な音とともにドアの動きが一瞬ガクッと止まる症状が現れます。
特にドアが閉まりきる直前や開ききる直前に「バキッ」と鳴り、挟み込み防止機能が誤作動してドアが勝手に10センチほど逆戻り(反転)してしまう現象は、ワイヤーが切れる寸前の典型的な末期症状と言えるでしょう。
単なるグリース切れだと軽く考えて電動開閉を続けると、ある日突然ワイヤーが完全にブチッとちぎれてドアが動かなくなりますから、開閉中に「バキッ」「ギギギッ」と鳴ったら直ちに運転席のパワードアオフスイッチを押して電動機能を止める判断があなたの愛車と財布を守ってくれますよ。
上下3箇所のローラー摩耗とレール内の砂利詰まり
ワイヤーのほつれと並んで、開閉時の「ゴロゴロ」「ガタガタ」「シャー」という異音やドアの引っかかりを引き起こす第3の原因が、スライドドアを支える『上下3箇所のガイドローラーの摩耗』と『ステップ下レール内の砂利詰まり』です。

ヴェルファイアのスライドドアは、屋根側の「アッパーローラー」、ボディ側面中央の「センターローラー」、そして2列目足元のステップ下を走る「ロアローラー」という合計3箇所の滑車(ベアリング入りローラー)でレールの上を滑っています。
この3箇所のなかでも最も過酷な環境にさらされているのが、乗降時の靴底の泥や砂利、雨水が直接落ちてくる一番下の『ロアローラーとロアレール滑走面』なのをご存知でしょうか。
トヨタ公式取扱説明書でも、スライドドアのリヤステップ下のローラー滑走面に石などの異物が入り込まないよう注意すること、および異物が入り込んだままスライドドアを開閉すると故障の原因になることが明記されています(出典:トヨタ自動車公式『30系ヴェルファイア 取扱説明書:スライドドア(ローラー滑走面の異物注意)』)。
お子様とのキャンプや公園遊びのあと、ステップ下のレール溝に小さな砂利や砂埃が入り込んだまま電動開閉を繰り返すと、ローラーが小石を踏みつぶしてロックし、ローラー表面の静音用樹脂タイヤが平らに削れる「偏摩耗(フラットスポット)」を起こしてしまうのです。
一度ローラーが四角く偏摩耗したり、内部のボールベアリングに砂が侵入して錆びついたりすると、ドアが動くたびに「ゴロゴロ」「ガタガタ」と下から突き上げるような振動音が発生し、さらにドア全体の位置が数ミリ下がって走行中のガタつき音まで誘発するようになります。
洗車のついでに2列目ステップの下を覗き込み、ローラーが走る金属面に小石や黒く固まった油泥が落ちていないかチェックする習慣を持つことが、ローラーとワイヤーの寿命を守る第一歩になるでしょう。
リリースモーターやイージークローザーの寿命
スライドドアが動いている最中ではなく、「ドアが開く最初の瞬間」や「ドアが閉まりきる最後の瞬間」にだけ、「ウィーン・ガガガッ!」「ギャギャッ」「バチン!」という異音が鳴る場合は、ドア内部の小型モーター(アクチュエーター)の寿命が疑われます。
ヴェルファイアのスライドドア内部には、ドアを前後にスライドさせるメインの大型モーターとは別に、2つの重要な小型モーターが組み込まれているからですね。
1つ目は、車外や車内のドアハンドルを引いたとき(またはスイッチを押したとき)に、固くロックされているドアラッチ(留め金)を電気の力でガチャッと解除する『スライドドアリリースモーター』です。
そして2つ目は、スライドドアが半ドアの位置まで閉まったときに、最後の数センチを「ウィーン…カチャ」と静かに車体側へ引き込んで密着させる『スライドドアイージークローザーモーター』になります。
これら2つの小型モーターの内部には、モーターの回転力を増幅するための『樹脂製ウォームギア(歯車)』が使われており、新車から8年〜12年ほど経過すると経年劣化とグリース切れでこの樹脂ギアの歯が欠けてしまうトラブルが起きやすいのです。
樹脂ギアが欠け始めると、ドアを開けようとした瞬間にドア内部から「ガガガッ!」とギアが空回りする大きな異音が鳴ったり、ドアが閉まったあとにイージークローザーが引き込みきれず半ドア警告灯が点きっぱなしになったりする症状が現れます。
特に冬場の寒い朝や、斜めに傾いた駐車場に停めているときは、ドアのゴム反発力や重みでラッチに大きな負荷がかかるため、寿命が近いリリースモーターが「ウィーン…」と唸るだけで開かなくなるケースも少なくありません。
開閉の最初や最後にだけドアの中から「ガガガッ」と機械音が聞こえる場合は、レールやワイヤーではなくドアロック一体型のモーターユニット(ラッチ&アクチュエーター)の交換時期が来ているサインと判断してください。
20系と30系と新型40系の構造と異音傾向の差
ヴェルファイアは初代20系、先代30系、そして現行40系へと進化するなかでスライドドア機構も改良されてきましたが、世代ごとに異音が出やすい箇所には違いがあります。
あなたの乗っている世代がどの部位から異音を出しやすいのか、一覧表で比較してみましょう。
| 世代・型式 | スライドドア構造特徴 | 発生しやすい異音部位 | 維持メンテの要点 |
|---|---|---|---|
| 20系(2008〜2015年) | 前後ワイヤー駆動方式 | ワイヤー被覆剥がれ・ローラー摩耗 | 経年10年超えのため総合点検が必須 |
| 30系(2015〜2023年) | 低床ステップ薄型駆動機構 | 段差ストッパー異音・ワイヤーほつれ | 対策ストッパー交換と早期ケーブル点検 |
| 40系(2023年〜現行) | 高剛性+連動ステップ機構 | ゴム枠の擦れ音・ステップ砂噛み音 | ゴムのシリコン保湿とレール小石除去 |
比較表の通り、初代の『20系ヴェルファイア』は初度登録から11年〜17年以上が経過しているため、ワイヤーの樹脂被覆剥がれやローラーベアリングの錆、リリースモーターのギア欠けといった駆動部品そのものの寿命が訪れる時期に入っています。
続く先代の『30系ヴェルファイア』は、低床フロア化でドアの面積と重量が増えたため、走行中のボディの微細な動きでBピラー側のストッパーゴムが摩耗しやすく、「段差でコトコト・ガタガタ鳴る」という相談が非常に多い世代です。
また30系で走行8万キロ〜12万キロを超えた個体では、毎日送り迎えで使う助手席側(左側)のスライドドアワイヤーがほつれてギーギー鳴り始めるケースが定番のウィークポイントになっています。
そして現行の『新型40系ヴェルファイア』は開口部の結合剛性が高められていますが、遮音性が高いぶんドア周囲のウェザーストリップ(ゴム)が乾燥した際の「キュッキュッ」という擦れ音や、連動ステップ機構への砂噛み音に気をつけなければなりません。
どの世代であっても、普段の乗り降りで開閉回数が3倍以上多い「助手席側(左後ろ)のスライドドア」から先に異音が出始めるため、左側を重点的にケアしてあげるのが部品プロの鉄則ですよ。
ヴェルファイアのスライドドア異音やガタガタの修理
第1章では、ヴェルファイアのスライドドアから鳴るガタガタ音やギーギー音の原因が、ストッパーゴムの摩耗、ワイヤーの素線切れ、ローラーの砂利噛み、そして小型モーターの劣化にあることを確認してきました。
ここからの第2章では、「もし異音を放置してワイヤーが切れたらどうなるのか?」というリアルなリスクと、ストッパー・ローラー・ワイヤー・モーターそれぞれの部位別修理費用相場を詳しく比較します。
さらに、週末に自宅で実践できる「正しいレール清掃・給油メンテナンス手順」と、絶対に使ってはいけないNGスプレーの注意点まで具体的に見ていきましょう。
放置は厳禁!ワイヤー破断が招く高額修理リスク
電動スライドドアの開閉作動中に「ギーギー」「バキッ」と引っかかる異音が鳴っているにもかかわらず、「まだ動くから大丈夫だろう」とそのまま電動で使い続けることだけは絶対に避けてください。
なぜなら、ほつれかけた駆動用ワイヤー(ケーブル)が完全にブチッと破断した瞬間、修理費用が数万円から『10万円〜15万円コース』へと一気に跳ね上がってしまうからですね。
実はヴェルファイア(特に20系・30系など)の電動スライドドアは、モーター本体が生きていれば、劣化したワイヤーとガイドレール部分だけの補修部品(スライドドアケーブルサブASSY:部品代約18,000円〜26,000円前後)を取り寄せて交換することで、工賃込み約3.5万〜5.5万円前後で修理できるケースが多いのです。
ところが、異音や引っかかりを無視して毎日のように電動開閉を続け、ワイヤーが完全にちぎれてしまうと事態は一変します。
大きな張力がかかっていた金属ワイヤーが切れると、モーター内部の巻き取りドラムの中でワイヤーがグチャグチャの団子状に絡みつき、プラスチック製のドラムギアやモーターの回転軸までバキバキに破壊してしまうのです。
こうなると、ワイヤー単体(サブASSY)での修理は不可能になり、高額な『パワースライドドアモーター&ドライブユニットASSY丸ごと交換(片側8.5万〜14.5万円前後)』を選ばざるを得なくなります。
そればかりか、ちぎれて絡まったワイヤーがレールやロック機構を噛み込んでしまうと、出先の駐車場でスライドドアが半開きのまま手動でもピクリとも動かなくなり、雨風のなかレッカー車を呼ぶ羽目にもなりかねません。
開閉中に「バキッ」「ギギギッ」という金属音や途中停止が1回でも起きたら、その場で運転席の『パワードアオフスイッチ』を押して手動ドアに切り替え、ワイヤーが完全に切れる前に整備工場へ持ち込むことが最大の節約術になりますよ。
部位別の修理費用相場とディーラーや工場の比較表
では実際にヴェルファイアのスライドドア異音を修理に出した場合、原因部位によって部品代と工賃はいくらかかるのでしょうか。
トヨタ正規ディーラーと一般の認証整備工場(または電装専門店)に依頼した場合の部位別修理費用相場を比較表にまとめました。
| 異音部位・修理内容 | 部品代目安(片側) | ディーラー総額目安 | 整備工場の総額目安 |
|---|---|---|---|
| ①ストッパーゴム交換 (段差のガタガタ音) |
約3,500〜6,000円 | 約7,000〜12,000円 | 約5,000〜9,000円(DIY可) |
| ②ガイドローラー交換 (開閉のゴロゴロ音) |
約6,000〜15,000円 | 約28,000〜48,000円 | 約22,000〜38,000円 |
| ③ワイヤー単体交換 (開閉のギーギー音) |
約18,000〜26,000円 | 約40,000〜60,000円 | 約32,000〜50,000円 |
| ④モーターASSY交換 (ワイヤー破断・不動) |
約55,000〜95,000円 | 約85,000〜145,000円 | 約45,000〜75,000円(再生品) |
比較表の「①ストッパーゴム交換」にある通り、走行中の段差で鳴るガタガタ・コトコト音であれば、純正の対策ストッパー部品(片側上下で約3,500円〜6,000円前後)を取り寄せて交換するだけで、ディーラーに頼んでも1万円前後、自分でボルトを外して交換すれば部品代だけで完治するケースがほとんどです。
また、ドアの隙間を抑えてボディ剛性感も高めたい方には、TRDの『ドアスタビライザー』や社外ラバーストッパーを活用する対策も人気がありますね。
一方で、「②ガイドローラー交換」や「③ワイヤー単体交換」は、45キロあるスライドドアをジャッキで支えながら内張りを分解し、ドアの建付け(チリ合わせ)をミリ単位で調整する熟練作業が必要になるため、工賃が2万円〜3.5万円ほどかかります。
もしディーラーで「モーターASSY一式交換で12万円かかります」と言われた場合でも、トヨタ車の整備実績が豊富な認証整備工場に相談すれば、「ケーブルサブASSY単体交換(約4万円前後)」や「保証付きリビルトモーター交換(約5万〜7万円前後)」で半額近くに抑えられることも珍しくありません。
なお新車から3年・走行6万キロ以内(または延長保証・認定中古車保証の期間内)であれば、電動スライドドアの異音や故障は無償保証修理の対象になるため、まずは購入店へ相談してみるのが賢明でしょう。
自宅でできるレール清掃と給油メンテの正しい手順
まだワイヤー切れやローラー破損に至っていない初期の「ギーギー」「シャー」「ミシミシ」といった擦れ音であれば、週末に20分ほど時間を取って『レール清掃と給油メンテナンス』を行うだけで、静かで滑らかな動きを取り戻せます。

ただし、間違ったスプレーを使うと逆にローラーを壊してしまうため、部品プロが実践する「安全な4ステップ手順」を守って作業してください。
スライドドア異音を防ぐDIY清掃&給油メンテナンス4ステップ
ステップ1:運転席の「パワードアオフスイッチ」をON(電動停止)にする
作業中にドアが勝手に動いて指を挟まれないよう、必ず手動モードに切り替えます。
ステップ2:ステップ下と側面のレール溝から小石・古い油泥を拭き取る
ウエスやブラシを使い、砂利が混ざった黒ずんだグリースを綺麗に除去します。
ステップ3:ローラー軸とレールに「ホワイトグリース」等を薄く塗る
5-56等の石油系溶剤は厳禁です。樹脂を侵さないグリースを少量馴染ませます。
ステップ4:ドア周囲のゴムとストッパーに「無溶剤シリコン」を塗布する
ウエスにシリコンを吹いてからゴム枠とストッパーを拭き、擦れ音を消します。
作業前に必ず守っていただきたいのが「ステップ1」の安全対策で、トヨタ公式取扱説明書でもタイヤ交換時や洗車時はパワードアオフスイッチをONにすること、およびONにしないと誤ってスイッチにふれたときにスライドドアが動いて手・頭・首などを挟むおそれがあることが明記されています(出典:トヨタ自動車公式『40系ヴェルファイア 取扱説明書:スライドドア(パワードアオフスイッチ)』)。
電動機能を切って手でドアを動かせる状態にしたら、「ステップ2」としてステップ下のロアレールとボディ横のセンターレールに溜まった砂埃や黒く固まった古いグリースを、パーツクリーナーを染み込ませたウエスで拭き取りましょう。
ここで一番やってはいけない失敗が、家庭によくある『KURE 5-56』などの石油系浸透潤滑スプレーをレールやローラーに直接吹きかけてしまうことです。
石油系溶剤が含まれたスプレーは、ベアリング内部の大切なグリースを溶かして洗い流してしまうだけでなく、ポリアセタール樹脂でできたローラーやゴムストッパーをふやかして(膨潤させて)割ってしまう原因になるからですね。
レールとローラー軸には必ず樹脂に優しい『リチウム系ホワイトグリース』や『フッ素系グリース』を薄く塗り、ドア周りのゴム枠(ウェザーストリップ)には『無溶剤タイプのシリコンスプレー』をウエスに吹いて塗り込めば、ホコリも寄せ付けず新車時のような静かさが復活するでしょう。
電動スライドドアの異音や修理でよくある質問
ここでは、ヴェルファイアの電動スライドドアの異音やメンテナンスに関して、読者のあなたからよく寄せられる4つの質問に回答します。
手動切り替え時の注意点や車検への影響など、いざという時に困らないための知識をまとめましたのでチェックしておきましょう。
Q1. 電動スライドドアのワイヤーが切れてしまった場合、電動スイッチを切れば手動ドアとして使い続けられますか?
A. 切れたワイヤーがレールやモーター内部で絡まっていなければ、パワードアオフスイッチをON(電動停止)にすることで手動開閉できる場合があります。ただし、切れたワイヤーの先端がレール内で引っかかって突然ロックする危険があるため、早めに修理またはワイヤー撤去処置を受けてください。
Q2. 電動スライドドアから異音がしたり電動で動かなくなったりした状態でも、車検には通りますか?
A. 車検の保安基準では「ドアが車外および車内から確実に開閉でき、走行中に開かないよう施錠(ロック)できること」が求められます。そのため、パワードアオフスイッチで電動機能を停止していても、手動でスムーズに開閉でき、半ドアにならず確実にロックできれば車検には合格します。
Q3. スライドドアのレールを掃除するとき、高圧洗浄機の水をレール内に直接当てても大丈夫ですか?
A. レール内部に高圧洗浄機の水を直接噴射することは避けてください。高い水圧でローラーベアリング内部のグリースが流れ落ちて錆びついたり、ドア内部のリリースモーターや配線カプラーに水が浸入して電装トラブルを引き起こしたりする原因になります。
Q4. 走行中の段差で鳴る「ガタガタ音」を消すのに、市販の静音テープやクッションテープを貼るのは効果がありますか?
A. Bピラー側のストッパー受け皿(メス側)に1mm〜2mm厚の耐候性ウレタンクッションテープを貼ると、一時的に隙間が埋まってガタガタ音が止まる効果はあります。ただし、テープが剥がれると粘着剤でベタつくため、根本的に直すなら数千円のトヨタ純正対策ストッパーへ交換する方法がおすすめです。
とくにQ3にある通り、洗車時にステップ下のレールへ高圧の水をかけるとグリース切れとベアリング錆を一気に進めてしまうため、レール周りは固く絞ったマイクロファイバークロスで水拭きし、乾いてから薄くグリースを補う丁寧なケアを心がけるのが長持ちの秘訣ですね。
ヴェルファイアのスライドドア異音とガタガタまとめ

ここまで、ヴェルファイアの電動スライドドアから鳴る「ガタガタ」「コトコト」「ギーギー」「バキッ」という異音の原因から、ワイヤー破断リスク、部位別の修理費用相場、そして自宅でできる清掃・給油メンテナンス手順まで詳しく解説してきました。
あらためて結論をお伝えすると、ヴェルファイアのスライドドア異音は「走行中の段差で鳴る音(ストッパーゴム摩耗)」なのか、「開閉作動中に鳴る音(ワイヤーほつれ・ローラー偏摩耗・モーター劣化)」なのかを切り分けることで、無駄な出費を最小限に抑えて直すことが可能です。
最後に、高額な修理代を払わずに静かで快適な車内空間を取り戻すための4つの重要ポイントを振り返っておきましょう。
1つ目は、走行中の段差でBピラー付近から鳴る「ガタガタ・コトコト音」は、数千円のスライドドアストッパー(オス・メス)交換とウェザーストリップへの無溶剤シリコン塗布で手軽に解消できることです。
2つ目は、電動開閉中に「ギーギー」「バキッ」と引っかかる音がしたり途中で反転したりする場合は、ワイヤー(ケーブル)が切れかけているため、即座にパワードアオフスイッチをON(手動化)にして、モーターごと壊れる前にケーブルサブASSY交換(約3.5万〜5.5万円)を依頼することになります。
3つ目は、2列目ステップ下のロアレール滑走面に小石や砂利が溜まるとローラーが偏摩耗して故障の原因になるため、半年に1回は電動機能を切ってから古い油泥を拭き取ってあげることでしょう。
そして4つ目は、給油時に「KURE 5-56」などの石油系溶剤スプレーを絶対に使わず、樹脂とゴムに優しい『ホワイトグリース(またはフッ素グリース)』と『無溶剤シリコンスプレー』を使い分けることに尽きます。
ヴェルファイアの電動スライドドアは、日頃のちょっとした清掃とグリースケアさえ続けていれば、10万キロを超えても大切な家族やゲストを静かにエスコートしてくれる頼もしい装備です。
ぜひ今回のステップを参考に、あなたの愛車のスライドドア周りをリフレッシュして、ヴェルファイア本来の静かで上質なドライブを存分に楽しんでくださいね。


