ハイエースのガソリン車は2.0Lと2.7Lどっち?パワー不足と実燃費のリアル
こんにちは。
アルヴェル&ハイエース完全ガイドの、運営者の「ホシ」です。
ハイエースのガソリン車を検討する際、多くの人が「2.0Lと2.7Lのどちらを選ぶべきか」という排気量の壁に直面します。
ネット上では「2.0Lは坂道で登らない」「2.7Lは燃費が悪すぎる」といった極端な噂が飛び交っており、判断に迷う方も少なくありません。
ボディサイズの制約から実燃費・維持費のリアルな差、後悔しない選び方までプロの視点で徹底比較します。
この記事のポイント
- ハイエースのガソリンエンジンは「ボディサイズによって排気量が自動的に決まる」基本構造
- 標準ボディのガソリン車には4WD設定が存在せず、降雪地やアウトドアでは2.7Lワイドかディーゼルが必須
- 2.0Lは街乗り空荷なら十分快調だが、高速道路の登坂車線や多人数乗車・重量積載で顕著なパワー不足を露呈
- 実燃費の差は街乗りで約1.0km/L程度であり、年間1万キロ走行でのガソリン代差額は約3万円前後に留まる
ハイエースのガソリン車における排気量設定とボディサイズの関係
ハイエースの購入検討時に最も見落とされがちなのが、「エンジン単体を選べない」というハイエース特有のグレード構造です。
一般的な乗用車のように「同じボディで2.0Lと2.7Lのどちらにするか」を自由に選ぶことは原則としてできません。
排気量選びは、そのまま「車体サイズ(標準幅かワイド幅か)選び」に直結しています。
2.0L(1TR-FE)と2.7L(2TR-FE)の基本スペック比較
ハイエースに搭載されている2種類の直列4気筒DOHCガソリンエンジンは、いずれも長い歴史と圧倒的な耐久性を誇る名機です。
現在販売されているモデルでは、吸排気連続可変バルブタイミング機構(Dual VVT-i)とシーケンシャルシフトマチック6速ATが組み合わされており、商用車としては極めて滑らかな回転フィールと低燃費を実現しています。
まずは両エンジンの基本的な諸元と出力特性の違いを客観的な数値で確認してみましょう。
| 項目 | 2.0L ガソリン(1TR-FE) | 2.7L ガソリン(2TR-FE) |
|---|---|---|
| 総排気量 | 1,998 cc | 2,693 cc |
| 最高出力 | 100 kW(136 PS)/ 5,600 rpm | 118 kW(160 PS)/ 5,200 rpm |
| 最大トルク | 182 N・m(18.6 kgf・m)/ 4,000 rpm | 241 N・m(24.6 kgf・m)/ 4,000 rpm |
| トランスミッション | 電子制御6速オートマチック(6 Super ECT) | 電子制御6速オートマチック(6 Super ECT) |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | 無鉛レギュラーガソリン |
| WLTCモード燃費(代表値) | 9.2 〜 9.4 km/L | 8.6 〜 8.8 km/L |
最高出力で24PS、最大トルクで59N・mという明確な出力格差が存在します。
数字上は約1.3倍の差に見えますが、特にトルクが立ち上がる常用域(2,000〜3,500rpm)における押し出し感の差は、日常の運転フィーリングに決定的な影響を与えます。
標準ボディ=2.0L、ワイドボディ=2.7Lの固定ルール
ハイエースのカタログを開くと、エンジンの選択肢はボディ形状と厳格に紐付いていることが分かります。
一般的な4ナンバー登録(小型貨物)となる「標準ボディ・標準ルーフ」のバンには、ガソリン車の場合2.0Lエンジン(1TR-FE)しか設定されていません。
一方、車幅が1,880mmに広がる「ワイドボディ」のバンやワゴン、コミューターには、2.7Lエンジン(2TR-FE)が標準搭載されます。
「取り回しやすい標準ボディのサイズ感のまま、パワフルな2.7Lガソリンエンジンに乗りたい」という希望を持っても、新車の純正ラインナップでは物理的に選択できない仕組みになっているのです。
【図解:ボディサイズとガソリンエンジンの組み合わせルール】
① 標準ボディ・標準ルーフ(バン・4ナンバー)
・選択可能エンジン:2.0Lガソリン(1TR-FE)または2.8Lディーゼル
※ガソリン車は2.0Lに完全固定。2.7Lの設定はなし。
② ワイドボディ・ミドルルーフ(バン・1ナンバー)
・選択可能エンジン:2.7Lガソリン(2TR-FE)または2.8Lディーゼル
※ガソリン車は2.7Lに完全固定。2.0Lの設定はなし。
③ ワゴン(10人乗り・3ナンバー / ワイドボディ)
・選択可能エンジン:2.7Lガソリン(2TR-FE)のみ
※ワゴン系はガソリン2.7L専用。ディーゼルや2.0Lは選択不可。
例外として、高規格救急車(ハイメディック)など特殊用途向けに標準幅・2.7Lの組み合わせが製造されるケースはありますが、一般ユーザーが通常購入できる市販車両ではこの原則が徹底されています。
エンジン排気量の比較検討は、事実上「4ナンバー標準ボディ vs 1ナンバー/3ナンバーワイドボディ」の比較検討そのものであることを理解しておく必要があります。
標準ボディのガソリン車に4WD設定がない決定的な注意点
寒冷地や降雪地域にお住まいの方、またはスノーボードやキャンプなどアウトドアユースを主目的とする方にとって、極めて重要な落とし穴が存在します。
それは、「標準ボディの2.0Lガソリン車には4WDの設定が一切存在しない(2WD/FRのみ)」という厳格な仕様制限です。
| ボディ形状 | 2.0L ガソリン(1TR) | 2.7L ガソリン(2TR) |
|---|---|---|
| 標準ボディ(4ナンバー) | 2WD(FR)のみ設定あり ※4WDは設定なし |
設定なし(選択不可) |
| ワイドボディ(1ナンバーバン) | 設定なし(選択不可) | 2WD / 4WD ともに設定あり |
| ワゴン(3ナンバー / ワイド) | 設定なし(選択不可) | 2WD / 4WD ともに設定あり |
ハイエースのFR(後輪駆動)車は、荷室に重い荷物を積んでいない空荷状態では後輪の軸重が極端に軽く、雪道や凍結路面、ぬかるんだキャンプ場などでスタックしやすい特性を持っています。
もし「4WDのハイエース」を求めるのであれば、ガソリン車の場合は必然的にワイドボディ(2.7L)を選ぶか、標準ボディを維持したい場合は車両価格の高い2.8Lディーゼルターボを選ぶかの2者択一となります。
「標準ボディの安いガソリン4WD」という選択肢は新車市場に存在しないため、この条件に該当する方は初期検討の段階で候補を絞り込む必要があります。
2.0Lと2.7Lのパワー不足感と走行性能のリアルな違い
スペック上の数値だけでなく、実際の走行シーンでドライバーがどのように感じるのか、生々しい走行フィールの違いを掘り下げていきます。
「2.0Lは本当に走らないのか」「2.7Lならストレスフリーなのか」、走行環境ごとの挙動特性を検証します。
街乗り・空荷状態での加速感と取り回し
市街地でのストップ&ゴーや、日常の買い物、通勤といった一般道走行において、2.0Lガソリン車がパワー不足で困る場面はほぼ皆無です。
6速ATの1速ギヤ比が低めに設定されているため、発進時にアクセルを軽く踏み込むだけでスッと軽快に車体が前に出ます。
車重約1.8トンのボディに対して最高出力136PSは控えめに見えますが、市街地の速度域(0〜60km/h)であれば、商用バン特有の出足の良さでストレスなく周囲の流れをリードできます。
【場面1:市街地・一般道での走行フィーリング】
2.0L(標準ボディ):車重が約100kg軽いため鼻先が軽く、ストップ&ゴーが非常に軽快。狭い路地やコインパーキングでの取り回しも抜群。
2.7L(ワイドボディ):発進時からトルクの厚みを感じるが、車幅1,880mmの威圧感と最小回転半径の大きさ(5.2m vs 5.5m)により、狭い路地では慎重な運転が求められる。
特に一人乗車や荷物をほとんど積んでいない状態であれば、2.0Lエンジンの吹け上がりは軽やかであり、静粛性もディーゼルに比べて圧倒的に高いため、乗用セダンのような感覚で穏やかに流すことができます。
街乗り中心の配送業務や、近距離のドライブがメインの用途であれば、2.0Lの走りに不満を抱く可能性は極めて低いと言えます。
高速道路の合流・登坂車線でのトルク差とキックダウン頻度
2.0Lと2.7Lのパワー差が残酷なまでに浮き彫りになるのは、高速道路の本線合流や、中央道・東名高速などの長い上り坂に差し掛かった瞬間です。
時速80kmから100kmへの追越し加速や、勾配5%を超える上り坂では、2.0Lエンジンは明白なトルク不足に直面します。
【図解:高速道路の登坂シーンにおけるエンジン挙動の違い】
① 2.0L(1TR-FE):頻繁なキックダウンと高回転キープ
・アクセルを踏み込むと6速→4速、急勾配では3速まで強制シフトダウン
・回転数が4,000〜5,000rpmまで跳ね上がり、車内に大きなエンジン透過音が充満
・速度を維持するためにアクセルを床近くまで踏み続ける必要があり、精神的疲労が大きい
② 2.7L(2TR-FE):余裕のある中間トルクで粘り強く巡航
・トルクが太いため、緩やかな坂であれば5速や6速を維持したまま登りきる
・シフトダウンしても4速(3,000rpm前後)程度で余裕を持って巡航可能
・エンジン音の急変が少なく、長距離グランドツーリング時の疲労感が段違いに少ない
2.0L車で高速道路の登坂を走る場合、「エンジンが唸るだけで速度が乗ってこない」というもどかしさを感じる場面が多くなります。
高回転を常用することになるため、高速域での実燃費も急激に悪化します。
休日に高速道路を使って遠方へロングドライブに出かける頻度が高い方にとって、この登坂トルクの余裕の差は無視できないストレス要因となります。
最大積載時・多人数乗車(車中泊仕様)での走行フィール
ハイエースの真骨頂である「荷物を積む」「人を乗せる」というシチュエーションにおいて、両者の差はさらに決定的なものとなります。
バンDXやスーパーGLで仕事道具や建築資材を500kg〜1,000kgフル積載した場合、あるいはワゴンGLで定員の10人フル乗車をした場合、2.0Lと2.7Lでは車体の重厚感の処理能力が根本から異なります。
| 積載・乗車状況 | 2.0L ガソリンの挙動 | 2.7L ガソリンの挙動 | 推奨エンジン |
|---|---|---|---|
| 空荷〜積載200kg未満(日常ユース) | 軽快で非常に走りやすい | パワーを持て余し気味、燃費は重め | 2.0L(標準ボディ) |
| 積載500kg以上(重積載業務) | 発進から重さを感じ、坂道で息切れ | 低中速トルクで粘り強く運搬可能 | 2.7L または ディーゼル |
| 多人数乗車(6〜10人) | 合流や追越しで明らかな加速力不足 | 多人数でも安定した巡航性能を発揮 | 2.7L(ワゴン系必須) |
| 本格キャンピング・重車中泊仕様 | 常時高負荷状態で燃費・加速とも悪化 | 重量増にも負けないトルク感で快適 | 2.7L または ディーゼル |
近年大ブームとなっている車中泊カスタムにおいても、常設ベッドキットやサブバッテリーシステム、家具類などを架装すると、常時200〜400kgの荷物を積んでいるのと同じ状態になります。
架装重量が嵩んだキャンピング仕様車を2.0Lエンジンで走らせると、常に高回転を維持しなければならず、ドライバーに大きな疲労が蓄積します。
本格的な架装を行うキャンパーベース車両として、ビルダー各社が2.7Lワイドボディやディーゼル車を指定するのには、極めて論理的な理由があるのです。
実燃費と維持費(自動車税・車検・年間コスト)の格差検証
「パワーがあるのは分かったけれど、排気量が大きいと維持費やガソリン代が跳ね上がるのではないか」という経済面での不安を検証します。
オーナーの実測データに基づくリアルな実燃費と、税金を含めた年間総維持費のシミュレーションを公開します。
オーナー実測値に基づく街乗り・高速の実燃費比較
カタログ燃費(WLTCモード)では、2.0Lが9.2〜9.4km/L、2.7Lが8.6〜8.8km/Lとなっており、その差はわずか0.6km/L程度です。
しかし、実際の道路環境で走らせた場合、走行シチュエーションによって燃費差の現れ方が大きく変化します。
全国のオーナーから報告されている膨大な実測データを集約したリアルな実燃費値は以下の通りです。
| 走行ステージ | 2.0L ガソリン(2WD) | 2.7L ガソリン(2WD) |
|---|---|---|
| 市街地・街乗り(渋滞路・短距離) | 7.0 〜 8.5 km/L | 6.0 〜 7.5 km/L |
| 郊外路・幹線道路(巡航走行) | 9.0 〜 10.5 km/L | 8.0 〜 9.5 km/L |
| 高速道路(80〜100km/h巡航) | 9.5 〜 11.0 km/L | 9.0 〜 10.5 km/L |
| 高速道路(登坂路・強風・高負荷) | 7.5 〜 8.5 km/L | 7.5 〜 8.5 km/L |
注目すべきは、平坦な高速道路や登坂路における燃費逆転現象です。
街乗りでは排気量が小さく車重が軽い2.0Lがリッターあたり約1kmほど優位に立ちますが、高速道路で時速100km巡航を維持しようとした場合、2.0Lは空気抵抗と車重に抗うために高回転までエンジンを回し続ける必要があります。
結果として燃料噴射量が増加し、トルクに余裕があって低回転でクルージングできる2.7Lとほとんど変わらない燃費になってしまうのです。
「燃費が良いから2.0L」という図式は、ストップ&ゴーの多い市街地走行に限って成立する真実であると言えます。
自動車税・自動車重量税・車検周期の決定的な違い
維持費を比較する上で、ガソリン代以上に大きなインパクトを持つのが「税制上の区分」です。
ハイエースの排気量は、ナンバープレートの種別(4ナンバー小型貨物、1ナンバー普通貨物、3ナンバー乗用ワゴン)と連動しているため、毎年の自動車税額に劇的な差が発生します。
【図解:ナンバー区分による自動車税と車検制度の違い】
① 4ナンバー(標準ボディ・2.0Lバン / 自家用貨物)
・自動車税(年額):16,000円(貨物税率)
・車検周期:初回2年、以降毎年車検(1年ごと)
※排気量に関係なく積載量ベースで課税されるため税金が圧倒的に格安。
② 1ナンバー(ワイドボディ・2.7Lバン / 自家用貨物)
・自動車税(年額):16,000円(貨物税率)
・車検周期:初回2年、以降毎年車検(1年ごと)
※ワイドバンも4ナンバー同様に貨物登録のため自動車税は年16,000円と同額。
③ 3ナンバー(ワイドボディ・2.7Lワゴン / 自家用乗用)
・自動車税(年額):50,000円(排気量2.5L超〜3.0L以下)
・車検周期:初回3年、以降2年ごと車検
※乗用登録のため自動車税は普通乗用車と同等に高額となる。
多くの方が誤解している点として、「2.7Lのワイドバン(1ナンバー)」を選んだ場合でも、貨物登録であるため年間の自動車税は2.0L標準バン(4ナンバー)と全く同じ16,000円で済むという事実です。
エンジン排気量が700cc上がっても、バン登録である限り毎年の自動車税負担は1円も増えません。
ただし、1ナンバー車両は高速道路の料金区分が「中型車」扱いとなり、普通車(4ナンバー・3ナンバー)に比べて通行料金が約2割高くなるというデメリットが存在します。
一方、ワゴンGLなどの3ナンバー乗用登録を選択した場合は、車検が2年ごとになるメリットはあるものの、自動車税は年額50,000円(2019年10月以降登録の新車は年49,500円)まで跳ね上がります。
排気量そのものよりも、「どのナンバー区分で運用するか」が毎年のランニングコストを大きく左右するのです。
年間1万km走行時におけるトータルコスト試算
それでは、年間走行距離10,000km、レギュラーガソリン価格170円/Lを前提として、2.0L標準バン(4ナンバー)、2.7Lワイドバン(1ナンバー)、2.7Lワゴン(3ナンバー)の年間維持費をシミュレーションしてみましょう。
| 維持費項目(年間) | 2.0L 標準バン(4ナンバー) | 2.7L ワイドバン(1ナンバー) | 2.7L ワゴンGL(3ナンバー) |
|---|---|---|---|
| 実燃費(平均想定) | 8.8 km/L | 7.6 km/L | 7.2 km/L |
| 年間ガソリン代(1万km) | 約 193,000 円 | 約 223,000 円 | 約 236,000 円 |
| 自動車税(年額) | 16,000 円 | 16,000 円 | 50,000 円 |
| 車検・重量税(年換算) | 約 55,000 円(毎年) | 約 58,000 円(毎年) | 約 45,000 円(2年毎換算) |
| 高速料金(年5,000km高速利用時) | 約 120,000 円(普通車) | 約 144,000 円(中型車) | 約 120,000 円(普通車) |
| 年間維持費合計(概算) | 約 384,000 円 | 約 441,000 円 | 約 451,000 円 |
2.0L標準バンと2.7Lワイドバンの年間維持費の差額は、年間走行1万キロベースで約5万〜6万円程度(月額換算で約4,500円)に収まります。
ガソリン代の差額だけで見れば年間約3万円、月々わずか2,500円の差に過ぎません。
この月数千円の差額を「高速登坂や積載時のストレスを解消するための必要経費」と捉えるか、「少しでも固定費を削るための節約ポイント」と捉えるかが、判断の大きな分かれ目となります。
あなたに最適なエンジンはどっち?後悔しない選び方の基準
ここまでの性能特性とコスト比較を踏まえ、ユーザーの利用環境やライフスタイルに応じた明確な選択基準を提示します。
購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないための決定的なチェックポイントを確認していきましょう。
2.0Lガソリン(標準ボディ)がおすすめな人・利用シーン
2.0L標準ボディは、日本国内の道路インフラと最も親和性が高い「都市型ユーティリティモデル」です。
以下の条件に当てはまる方は、迷わず2.0Lを選択することで最大の満足感を得られます。
【2.0Lガソリン車が最適なユーザーのチェックリスト】
① 都市部の狭い路地やコインパーキングを日常的に利用する
全幅1,695mmの5ナンバー枠サイズにより、狭路でのすれ違いや標準的な駐車場枠への駐車が極めて容易です。
② 主な走行ステージが一般道・市街地であり、高速道路は月1〜2回程度
一般道の法定速度域であれば発進加速も軽快で、パワー不足を感じる場面はほとんどありません。
③ 積載量は常に300kg未満、乗車人数も1〜2名がメイン
荷物が軽く車体が身軽な状態であれば、2.0Lエンジンの静粛性とスムーズさが際立ちます。
④ 車両購入価格と維持費のトータルコストを最小限に抑えたい
新車価格が最も安価で、自動車税16,000円、高速料金も普通車区分と、全ハイエース中で最高水準の経済性を誇ります。
2.7Lガソリン(ワイドボディ)がおすすめな人・利用シーン
一方、2.7Lワイドボディは、圧倒的な車内居住性と長距離クルージング性能を両立した「本格グランドツアラー」です。
以下の条件に該当する方は、多少の維持費増を受け入れてでも2.7Lを選ぶべきです。
【2.7Lガソリン車が最適なユーザーのチェックリスト】
① 車中泊ベッドや本格的なキャンピング家具を常設架装する
架装による数百キロの常時重量増があっても、2.7Lの太い低中速トルクがあれば快適な走行フィーリングを維持できます。
② 高速道路を使って往復数百キロ以上のロングドライブに頻繁に出かける
登坂車線でのキックダウン頻度が激減し、静かで余裕のあるクルージングにより長距離運転の疲労が激減します。
③ 降雪地域に住んでいる、またはスキー・スノボで雪山へ通う(ガソリン4WD希望)
ガソリンエンジンで4WDを選択する場合、ワイドボディ(2.7L)が唯一の選択肢となります。
④ 家族や仲間など、常に4名以上で乗車してレジャーに出かける
乗員体重による負荷増に負けず、全員が快適に移動できる車内空間と走行性能を両立できます。
中古車リセールバリューと売却時の残価率格差
購入時の判断材料として最後に忘れてはならないのが、数年後に手放す際の「リセールバリュー(再販価値)」です。
ハイエースは日本車の中でもトップクラスの残価率を誇る車種ですが、エンジンと駆動方式によってリセールの傾向に明確な違いがあります。
| モデル区分 | 新車価格帯(参考) | 3年後残価率目安 | リセール市場での特徴 |
|---|---|---|---|
| 2.0L 標準バン(2WD) | 約 260〜320 万円 | 約 70 〜 75 % | 国内のビジネス・商用需要が極めて強固で価格崩れが少ない |
| 2.7L ワイドバン(2WD) | 約 290〜350 万円 | 約 68 〜 73 % | キャンパーベースやレジャー需要で安定した人気 |
| 2.7L ワゴンGL(2WD/4WD) | 約 320〜380 万円 | 約 75 〜 82 % | ファミリー層・送迎需要に加え海外輸出でも圧倒的な強さ |
国内の中古車市場においては、2.0L標準バンは実用車としての流通量が圧倒的であり、走行距離が10万kmを超えても確実に買い手がつく抜群の換金性を持っています。
一方、2.7Lエンジン(特にワゴンGLの4WD車やワイドバン)は、オセアニアや中東、アジア圏など海外輸出市場でも非常に高い人気を誇るため、年式が古くなっても輸出相場に支えられて高価買取が期待できます。
新車購入時の差額(約30万〜40万円)の多くは売却時の下取り査定に反映されるため、「初期投資は高くても実質的な目減り額の差は小さい」という視点を持つことが重要です。
ハイエースのガソリン車比較に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 2.0Lガソリン車を後からパワーアップさせるカスタムは効果がありますか?
A. スロットルコントローラー(スロコン)の導入で出足のレスポンスを改善したり、吸排気系(エアクリーナーやマフラー)の交換で高回転の伸びを若干向上させることは可能です。しかし、自然吸気(NA)エンジンのため、劇的なトルクアップ(排気量差700cc分の埋め合わせ)は期待できません。根本的なトルク不足を感じる場合は、後付けチューニングに数十万円を投資するよりも、最初から2.7Lやディーゼル車を選択する方が確実に満足度が高くなります。
Q2. 2.0Lと2.7Lで使われているガソリンの種類やオイル交換量は違いますか?
A. 使用燃料はどちらも「無鉛レギュラーガソリン」であり、ハイオク指定ではありません。エンジンオイルの規定量については、オイルフィルター同時交換時で2.0Lが約5.0L、2.7Lが約5.5Lとなっており、わずか0.5Lの差しかありません。オイル交換にかかるメンテナンス費用はほぼ同等と考えて差し支えありません。
Q3. 2.7Lのワイドボディは運転が難しくありませんか?初心者でも乗れますか?
A. ワイドボディは全幅が1,880mmあり、アルファード(1,850mm)よりもさらに広いため、狭い路地でのすれ違いやコインパーキングの駐車枠では車幅感覚に慣れが必要です。ただし、ハイエースは運転席の見晴らしが非常に良く、フロントオーバーハングが極端に短いため、同等サイズの大型ミニバンに比べると車両感覚は格段に掴みやすい構造になっています。1〜2週間ほど日常運転を経験すれば、多くの方が問題なく乗りこなせるようになります。
Q4. ガソリン車ではなく2.8Lディーゼルを選んだ方が良いケースはどんな時ですか?
A. 年間走行距離が15,000〜20,000kmを超える過走行ユーザーや、急勾配の山道・高速道路を毎日のように走る方、あるいは「標準ボディで4WDが絶対に欲しい方」は2.8Lディーゼルターボが最有力候補となります。ディーゼルは最大トルク300N・m(または450N・m)という圧倒的な力強さを誇り、燃料代(軽油)も安価ですが、新車車両価格がガソリン車より約60万〜70万円高くなる点と、近距離チョイ乗り走行が続くとDPF(排出ガス浄化装置)のスス詰まりリスクが高まる点に注意が必要です。
【総まとめ:ハイエース2.0Lと2.7Lの選び方ガイド】
・排気量とボディ:標準ボディは2.0L、ワイドボディは2.7Lに原則固定。
・4WDの有無:標準ボディのガソリン車には4WD設定なし。雪道重視なら2.7Lワイドかディーゼル。
・パワーフィール:街乗り空荷なら2.0Lで十分快調。高速登坂・重積載・車中泊架装なら2.7Lのトルクが必須。
・維持費と燃費の差:街乗りでリッター約1km差。年間1万キロでのガソリン代差額は約3万円程度。
・結論:日常の取り回し優先なら2.0L標準、車内の広さとパワー優先なら2.7Lワイド一択。


