段差のショックが大きい!ヴェルファイアのフロントロアアームブッシュの亀裂・油漏れ
こんにちは。アルヴェル&ハイエース完全ガイド 運営者の「ホシ」です。
ヴェルファイアで段差を越えた時に足回りからゴツンと大きな衝撃が響き、乗り心地の悪化に戸惑う方も多いはず。
その原因は2トン超の車体を支えるフロントロアアームブッシュの亀裂や油漏れにあるかもしれません。
今回は部品プロの視点から劣化症状や車検基準、Assy交換とブッシュ打ち替えの費用比較まで解説しましょう。
この記事のポイント
- フロントロアアームブッシュに亀裂や油漏れが起きる原因
- 段差でのゴツン衝撃や直進安定性悪化などの前兆症状
- ひび割れ深さや油漏れによる車検合否基準とセルフ点検法
- Assy丸ごと交換とブッシュ打ち替えの費用比較と1G締め
ヴェルファイアのフロントロアアームブッシュの寿命
新車の頃は道路の継ぎ目やマンホールを「タタン」としなやかにいなしていたヴェルファイアなのに、走行距離が5万キロから8万キロを超えたあたりから、段差のたびに「ゴツン!」「ドスン!」とフロア下から突き上げるようなショックを感じるようになると心配になりますよね。

私は自動車部品メーカーのセールスとして東京と山梨の高速道路や山道をヴェルファイアで日常的に往復していますが、「ショックアブソーバーを新品に替えたのに段差の衝撃やハンドルのフラつきが直らない」と相談されるケースの真犯人が、足回りの最下部にある『フロントロアアームブッシュ』の亀裂や油漏れなのです。
まずは結論として、ヴェルファイアの大柄な車体を支えるフロントロアアームブッシュの構造から、なぜ亀裂やオイル漏れが起きるのかという原因、そして放置した時に現れる異音・車体ブレ・車検不合格リスクまで順番に見ていきましょう。
大柄な車体を支える2種類のブッシュと液体封入構造
結論からお伝えすると、ヴェルファイア(20系・30系・40系)のフロントサスペンション最下部でタイヤ側(ナックル)と車体骨格(サスペンションメンバー)を繋いでいる鉄製の腕が『フロントロアアーム』であり、その根元に圧入された2種類のゴム部品が『ロアアームブッシュ』です。
もしロアアームと車体骨格を金属のボルトだけで直接固定してしまうと、路面からのゴツゴツした振動やロードノイズがすべて車内へダイレクトに響いてしまうため、接合部に分厚い防振ゴムの筒(ブッシュ)を挟み込むことで、アームの上下運動を滑らかに助けながら衝撃を吸収しています。
ヴェルファイアのフロントロアアームには片側だけで2箇所(左右合計4箇所)のブッシュが組み込まれており、進行方向の前側にある円筒形の小径ゴムを『No.1ブッシュ』、後ろ側にある円盤のような大径ゴムを『No.2ブッシュ』と呼んで役割を明確に分担しているのですね。
前側のNo.1ブッシュはタイヤが段差で上下にストロークする際の「回転軸(蝶番)」として働き、後ろ側の大きなNo.2ブッシュはブレーキを踏んだ時やカーブを曲がる時にタイヤが前後・左右へグラつかないようガッチリと支える「要(かなめ)の緩衝材」として機能します。
さらに高級ミニバンであるヴェルファイアの乗り心地を高めるため、この後ろ側の大型No.2ブッシュにはゴムの途中に三日月型の隙間(すぐり穴)を設けて柔軟性を出したり、内部の空洞に高粘度のシリコンオイル(液体)を封入して微振動を吸収したりする高度な『液体封入構造(液封ブッシュ)』が採用されているモデルも多いでしょう。
つまりフロントロアアームブッシュは単なるゴムの塊ではなく、ショックアブソーバーと並んでヴェルファイアの「魔法の絨毯のようなフラットな乗り味」と「直進安定性」を根底から支えている重要保安部品なのです。
この2つのブッシュのうち、とくに後ろ側の大きなNo.2ブッシュにすべての負担が集中しやすいという構造上の特徴をまずは押さえておいてください。
走行5万から8万キロで亀裂や油漏れが起きる原因
「なぜヴェルファイアのフロントロアアームブッシュは、一般的なセダンやコンパクトカーよりも早く5万キロ〜8万キロ(年数にして5年〜8年)前後で亀裂や油漏れを起こしてしまうの?」と疑問に思う方も多いはずです。
部品プロの現場視点からその理由を解き明かすと、最大の要因はヴェルファイア特有の『2.0トン〜2.3トンを超える非常に重い車両重量』と『ブレーキング時の大きな慣性エネルギー』にあります。
家族や荷物を乗せて総重量2.5トン近くになったヴェルファイアが時速60キロからブレーキを踏んで減速するたび、車体は前へ進もうとする一方でフロントタイヤは路面との摩擦で後ろへ引っ張られるため、ロアアーム後側のNo.2ブッシュには毎回何トンもの凄まじい「引きちぎる力(せん断荷重)」が集中するのですね。
何万キロも走るうちに、ゴムが紫外線やオゾン、エンジンルームからの熱や融雪剤の塩分で少しずつ硬く経年劣化し、そこへ毎日のブレーキングと据え切りハンドルの負荷が加わることで、ゴムのくびれ部分(すぐり部)からピキピキと深い亀裂が進行していきます。
そして亀裂がブッシュ内部のオイル室まで達した瞬間、中に閉じ込められていた透明〜褐色の高粘度シリコンオイルがプシューッと外へ漏れ出し(油漏れ)、ロアアームの金属部分に黒っぽい油染みと砂埃の塊を作ってしまうでしょう。
さらにブッシュの寿命を半分以下に縮めてしまう隠れた原因が『車高調やダウンサスによるローダウン』と『20インチ以上の大径ホイールへのインチアップによるバネ下重量の増加』になります。
純正車高の角度で固定されているブッシュのボルトを緩めずに車高だけを下げると、駐車している状態でもゴムブッシュが常に40度近くねじり上げられた『プリロード(初期ねじれ負荷)』がかかり続け、段差で沈み込んだ瞬間に可動限界を超えてわずか2万〜3万キロでゴムがバリッと無残に裂けてしまいますよ。
段差でのゴツンという衝撃やギシギシ異音の前兆
フロントロアアームブッシュに深い亀裂が入ったり内部のオイルが抜けたりし始めると、運転席のフロアやステアリングを通じて「これまでとは明らかに違うショックと異音」という前兆サインが現れます。

ショックアブソーバーの抜けやスタビリンクの異音と混同しやすい部分でもありますので、ロアアームブッシュ劣化ならではの「3つの体感サイン」を順番に確認しておきましょう。
1つ目の最も顕著な症状が、道路の継ぎ目やマンホール、コンビニ入口の歩道段差を乗り越えた瞬間にフロント足回りから響く「ゴツン!」「ドスン!」「ガツン!」という角の立った重い突き上げショックです。
本来ならタイヤが段差に当たった瞬間にNo.2ブッシュの分厚いゴムと封入オイルが後方へわずかにたわんで衝撃を逃がしてくれるのですが、ゴムがちぎれてオイルが抜けると緩衝材がゼロになり、鉄のロアアームと車体骨格が直接ぶつかるような衝撃がハンドルや足元へ突き上げてきます。
2つ目の症状が、冬の寒い朝や立体駐車場のスロープなどで大きく車体が上下した時に、フロントタイヤの奥から聞こえる「ギシギシ…」「ギュッギュッ…」「ミシミシ…」という乾いたゴムの擦れ音なのですね。
これは硬化してひび割れたNo.1ブッシュやNo.2ブッシュのゴム断面同士が、サスペンションの上下ストロークに伴って激しく擦れ合うことで発生する特有のきしみ音になります。
そして3つ目の危険なサインが、低速でハンドルを切った時や悪路を走った時に「ゴトゴト!」「ガタガタ!」と金属同士がぶつかる音が響くケースで、これはブッシュが完全に破断して芯の金属カラーが遊んでいるか、ロアアーム先端の『ボールジョイント』にガタが出ている末期症状でしょう。
段差を越えるたびに足元へ「ゴツン」と響くようになったら、高価なショックアブソーバーを疑う前にまずフロントロアアームブッシュの深い亀裂やオイル漏れを疑ってみてください。
直進安定性の悪化やブレーキング時の車体ブレ症状
段差での突き上げショックや異音以上に、ドライバーであるあなたが運転していて大きなストレスと恐怖を感じるのが『直進安定性の悪化』と『ブレーキング時の不自然な車体挙動』です。
なぜロアアームのゴムブッシュが劣化するだけで真っ直ぐ走らなくなるのかというと、走行中にタイヤの向き(アライメント)を支えている土台そのものがグラついてしまうからに他なりません。
後側のNo.2ブッシュに深い亀裂が入ってコシがなくなると、走行中に路面のわずかなわだち(凹凸)や横風を受けただけでロアアームが左右に数ミリ単位でたわみ、フロントタイヤの向き(トー角)が勝手に変化してハンドルが左右に取られる『フラつき現象』が起きるのですね。
一般社団法人日本自動車連盟(JAF)の公式Q&Aでも、真っ直ぐな道でハンドルを取られてしまう原因として、長期間の使用でサスペンションの付け根にあるブッシュの摩耗が進むとホイールアライメントが狂い、そのまま走るとタイヤが偏摩耗してさらに進路が乱されるため注意が必要だと解説されています(出典:一般社団法人日本自動車連盟(JAF)公式『クルマ何でも質問箱:真っ直ぐな道でハンドルを取られてしまいますが、考えられるトラブルは?』)。
また信号待ちの手前でブレーキを踏んだ瞬間に、フロントタイヤが後ろ側へグニャッと逃げることで「ガクン!」と一拍遅れてお辞儀をするようなノーズダイブが起きたり、高速からの減速時にハンドルがブルブルと震える『ブレーキジャダー』のような振動が出たりするでしょう。
さらにブッシュがヘタってロアアームが外側へ開き気味になると、タイヤがハの字に傾いて内側ばかりが異常な早さで削り取られる『タイヤの内減り(偏摩耗)』が進行し、高価なミニバン用タイヤの寿命を半分にしてしまうことになります。
「最近高速道路で常にハンドルを微修正していないと真っ直ぐ走らない」「ブレーキを踏むと足元がフワッと前後に動く感覚がある」と感じたら、ロアアームブッシュの寿命が限界に達しているサインですよ。
ひび割れと貫通破断や油漏れによる車検合否基準
「点検でロアアームブッシュにヒビが入っていると言われたけれど、このままでも次の車検には通るの?」という切実な疑問にお答えしましょう。
フロントロアアーム周辺の3大消耗部位(No.2ブッシュ、No.1ブッシュ、先端ボールジョイント)について、劣化度合いによる『車検合否の境界線』を比較表にまとめました。
| 点検部位・状態 | 車検の合否判定 | 走行への悪影響 | 推奨される対応時期 |
|---|---|---|---|
| ①ゴム表面の浅いヒビ | 車検合格(経過観察) | わずかに硬さを感じる程度 | 次回車検や7万km前後で検討 |
| ②深い亀裂・油滲み | 要注意〜不合格ライン | 段差のゴツン衝撃・直進悪化 | タイヤ偏摩耗前に早期交換 |
| ③貫通破断・ガタ・油漏れ | 車検不合格(保安基準NG) | 激しいブレ・金属干渉音 | ただちにロアアーム交換必須 |
| ④先端ジョイントブーツ破れ | 1ミリでも破れれば即不合格 | 水混入でジョイント脱臼危険 | Assy交換またはブーツ交換必須 |
ゴムブッシュの表面に細かいシワや浅いヒビ割れが入っている程度であれば、アームの支持力は保たれているためそのままでも車検には合格します。
しかしトヨタ自動車公式の定期点検(12ヶ月点検)項目でも、下まわり・足まわりの重要検査として「サスペンションの取付部・連結部の緩み・がた」「サスペンション各部の損傷」「ボールジョイントのダストブーツの亀裂・損傷」が厳格に定められています(出典:トヨタ自動車公式『アフターサービス:定期点検(12ヶ月点検)下まわり・外まわり・足まわりの点検項目』)。
もしブッシュの亀裂が向こう側まで貫通してバールで揺するとガタつきが出る状態や、液封ブッシュ内部のオイルが漏れ出している状態、あるいはロアアーム先端にある『ロアボールジョイントのゴムブーツ』が破れてグリスが漏れている状態は、車検で一発不合格(保安基準不適合)となるのですね。
仮にギリギリ車検に通る深さの亀裂であっても、すでにブッシュのコシが抜けて段差のショックや直進安定性の悪化が出ているなら、タイヤが偏摩耗してダメになる前にリフレッシュする方がトータルの維持費は安く済むでしょう。
「車検に通るかどうか」だけでなく「ヴェルファイアらしい快適な乗り心地が失われていないか」を基準に交換時期を判断するのがおすすめですよ。
ヴェルファイアのフロントロアアームブッシュ交換費
第1章では、ヴェルファイアのフロントロアアームブッシュが5万〜8万キロで亀裂や油漏れを起こす原因と、段差でのゴツンという衝撃、直進安定性の悪化、そして車検合否の境界線を確認してきました。
ここからは実践編として、自宅の駐車場でハンドルを切ってブッシュの亀裂・油漏れを見極める点検手順と、多くのオーナーが悩む「ロアアームAssy丸ごと交換」と「ブッシュ単体打ち替え」の損得勘定を徹底比較します。
さらに、日本の足回り部品メーカー(三恵工業スリーファイブやGMB)の優良OEMロアアームを活用してディーラーより3万〜4万円安く直す費用相場と、交換時に絶対欠かせない『1G締め&4輪アライメント調整』の鉄則まで詳しく見ていきましょう。
ハンドル据え切りやリフトアップでのブッシュ点検法
あなたのヴェルファイアのフロントロアアームブッシュが今どのくらい傷んでいるのかを確かめるには、自宅の駐車場でできる目視チェックと、整備工場のリフトで行う負荷点検の2段階で確認します。

ジャッキアップしなくても5分で確認できる「セルフ目視&プロ診断の4ステップ」を図解にまとめました。
フロントロアアームブッシュの亀裂・油漏れを見抜く4ステップ点検
ステップ1:平坦な駐車場でハンドルを片側いっぱいに切ってパーキングへ入れる
ハンドルを左に切れば右前輪の後ろ側、右に切れば左前輪の後ろ側が大きく開く
ステップ2:スマホのライトでロアアーム後側の大型円盤ブッシュ(No.2)を照らす
タイヤ内側の奥にある黒い鉄製アームの根元(縦向きの丸いゴム部)を撮影・観察する
ステップ3:ゴムのくびれ部分の「深い裂け目」と周囲の「黒いオイル染み」を確認
ゴムが大きく口を開けていたり周囲にドロッとした黒褐色の油汚れがあれば要交換
ステップ4:整備工場でリフトアップしバールでこじってガタとブーツ破れを最終診断
力をかけた時の貫通亀裂の開き具合と先端ボールジョイントの破れをプロが確認する
ご自身でチェックする際のコツは、スマホのカメラでフラッシュ(ライト)をONにしたままフロントタイヤの後ろ側から奥へ手を伸ばして動画や写真を撮ることで、頭を地面につけなくてもNo.2ブッシュのゴムの裂け具合がくっきりと確認できる点です。
もしロアアームの根元周辺だけが湿ったように黒光りしていたり、油を含んだ泥がベッタリと張り付いていたりしたら、液封ブッシュ内部のシリコンオイルが破裂して漏れ出した動かぬ証拠になります。
ただし、タイヤが地面に着いている状態では車重で亀裂が押し潰されて浅いヒビに見えることがあるため、オイル交換や12ヶ月点検のついでに整備工場のリフトで車体を持ち上げてもらい、バールでグッと力をかけて亀裂がパックリ開かないか診てもらうと確実でしょう。
その際、ロアアームのすぐ外側にある『ロアボールジョイントのゴムブーツ』にひび割れやグリス滲みがないかも同時にチェックしてもらうと、修理方針を間違いなく決められますよ。
ロアアーム丸ごと交換とブッシュ単体打ち替えの比較
フロントロアアームブッシュの交換を決めた時、すべてのヴェルファイアオーナーが一度は悩むのが「鉄のロアアームごと新品にする『Assy(アッセンブリー)丸ごと交換』がいいのか、それともゴムの『ブッシュ単体だけを油圧プレスで打ち替える』方が安いのか?」という選択です。
結論からハッキリ言うと、9割以上のヴェルファイアオーナーにとって断然お得で失敗がない王道ルートは『ロアアームAssy丸ごと交換』になります。
なぜなら、トヨタ純正部品にはそもそもヴェルファイア用の「ロアアームブッシュ単体」という部品設定が存在せず、純正で直すならロアアームAssy丸ごと交換一択になるうえ、社外品のブッシュ単体を取り寄せて打ち替える場合でも「油圧プレスでの抜き取り・圧入工賃」が4箇所で1万2,000円〜2万円ほど余計に加算されるからなのですね。
つまり、ブッシュ単体の部品代(1個2,500円〜4,000円×4個=約1万〜1.6万円)は安く見えても、ロアアームを車体から外す工賃にプラスして「高価な油圧プレス打ち替え工賃」が乗っかるため、トータルの支払額がほとんど安くならないという逆転現象が起きます。
しかも最大の落とし穴として、ブッシュだけを打ち替えて古いロアアームを再使用すると、同じアームの先端に付いている『ロアボールジョイント』が古いまま残ってしまうため、1〜2年後にそのボールジョイントのブーツが破れたりガタが出たりして、もう一度ロアアーム脱着工賃とアライメント代(計3万〜4万円)を二重払いするリスクが極めて高いでしょう。
その点、ロアアームAssy丸ごと交換であれば、前側のNo.1ブッシュ・後側のNo.2ブッシュ・先端のロアボールジョイントの『3大消耗品がすべて最初から工場で完璧な角度に圧入された新品アーム』へボルトオンで入れ替わるため、プレス圧入時のアーム歪みリスクもゼロで足回り全体が一気に若返ります。
よほど競技用の特殊な強化ウレタンブッシュを入れたいマニアの方以外は、迷わずロアアームAssy丸ごと交換を選ぶのが一番賢い選択ですよ。
ディーラー純正と整備工場の社外OEM交換費用相場
では、ヴェルファイアのフロントロアアームAssyを左右セットで丸ごと交換する場合、ディーラーと街の整備工場ではどのくらい費用が変わるのでしょうか。

実は自動車部品業界には、『三恵工業(555/スリーファイブ)』や『GMB』といった世界中に足回り部品を供給する国産OEMメーカーがあり、純正と同等の新品ロアアームAssyを半額近い部品代で供給しています。
純正Assy交換、国産OEMロアアームAssy交換、ブッシュ単体打ち替えの費用相場を比較表にまとめました。
| 費用項目・内訳 | ①ディーラー(純正Assy) | ②整備工場(国産OEM Assy) | ③ブッシュ単体打ち替え |
|---|---|---|---|
| 左右部品代(2本分) | 約48,000円〜64,000円 | 約24,000円〜36,000円 | 約8,000円〜16,000円 |
| 交換・プレス工賃 | 約18,000円〜28,000円 | 約12,000円〜20,000円 | 約24,000円〜36,000円 |
| 1G締め・アライメント | 約15,000円〜25,000円 | 約12,000円〜20,000円 | 約12,000円〜20,000円 |
| 左右交換総額の目安 | 約80,000円〜115,000円 | 約48,000円〜75,000円 | 約45,000円〜72,000円 |
街の整備工場で『三恵工業(555)やGMB製の国産OEMロアアームAssy』を指定して左右交換すれば、アライメント込みで約4.8万〜7.5万円に収まり、ディーラー純正より3万〜4万円近く節約できるのが魅力です。
整備工場へ依頼する際に守りたい「交換4つの鉄則」を図解にまとめました。
乗り心地と寿命を最大化する!「ロアアーム交換4つの鉄則」
1. 三恵工業(555)やGMB製の「国産OEMロアアームAssy」を左右同時交換
片側だけでなく左右ペアで交換しブッシュとジョイントを一新
2. タイヤ接地状態の角度で本締めする「1G締め」を必ず実施する
浮いた0G状態で締めるとゴムが常時ねじれて早期破断するため厳禁
3. 交換後は「4輪アライメント調整」でトー角とキャンバー角を整える
新品ブッシュで元に戻ったタイヤ角度を補正し偏摩耗とブレを防止
4. 走行7万km超なら「スタビライザーリンク」も同時交換する
足回り分解ついでにスタビリンクも替えればコトコト異音も完治
とくに図解の2番目に挙げた『1G締め(いちじーじめ)』は極めて重要で、タイヤが宙に浮いたままロアアームのボルトを本締めすると、地面に降ろした瞬間に新品ブッシュがねじり上げられて乗り心地が突っ張り、わずか2万〜3万キロで再び裂けてしまいます。
必ず「1G状態での本締めと4輪アライメント調整までセットでお願いします」と整備工場へ伝えることで、新車時のようなしなやかな足回りが復活しますよ。
ロアアームブッシュの亀裂や交換に関する質問集
ここでは、ヴェルファイアのフロントロアアームブッシュの亀裂や油漏れ、修理に関して、読者のあなたからよく寄せられる4つの質問へ順番にお答えしていきましょう。
片側だけ交換しても大丈夫なのかという疑問や、市販の液体ゴム補修剤が使えるのかなど現場の判断基準をまとめましたのでチェックしておいてください。
Q1. 右側のロアアームブッシュだけ油漏れしていますが、片側だけ交換しても大丈夫ですか?
A. 片側のみの交換も物理的には可能ですが、左側も同じ走行距離だけ荷重を受けているため1年以内に反対側も裂けるケースがほとんどです。アライメント代(約1.5万〜2万円)を2回払うのを防ぐため、『左右ペア同時交換』をおすすめします。
Q2. ブッシュの亀裂に市販の「液体ガスケット」や「シリコンコーキング剤」を塗って埋めれば車検に通りますか?
A. コーキング剤等で表面のヒビを埋めても2トン超の車重を支える剛性は一切回復せず、検査官がバールで力をかければすぐに剥がれてガタつきが発覚するため車検には通りません。油漏れや破断の隠蔽とみなされる恐れがあるため絶対に行わないでください。
Q3. 社外の「強化ウレタンブッシュ」に打ち替えると、ヴェルファイアの乗り心地はどう変わりますか?
A. 硬いポリウレタン製ブッシュに替えるとハンドルの応答性は向上しますが、路面からのゴツゴツした微振動やロードノイズが車内へ伝わりやすくなります。定期的なグリスアップも必要になるため、ご家族を乗せるなら純正同等ゴムの国産OEMロアアームAssyが一番快適です。
Q4. 20系・30系ヴェルファイアで、フロントロアアーム交換の際に同時交換するとお得な部品はありますか?
A. 『フロントスタビライザーリンク(左右部品代約6,000〜12,000円)』と『タイロッドエンドブーツ(部品代約1,000〜2,000円)』です。どちらもロアアームのすぐ近くにあり同じ6万〜8万キロでブーツが破れやすいため、同時施工すれば工賃を大幅に節約できます。
とくにQ1でお伝えした通り、ロアアーム交換の最後には4輪アライメント調整が必須となるため、片側ずつ2回に分けて交換するとアライメント代だけで2万円近く損をしてしまいますので、最初から左右2本同時にリフレッシュするのが鉄則ですよ。
ヴェルファイアのフロントロアアームブッシュの総括

ここまで、ヴェルファイアのフロントロアアームブッシュに亀裂や油漏れが発生する原因から、段差でのゴツンという衝撃や直進安定性悪化のメカニズム、車検合否の基準、そして修理費用を賢く抑えるOEMロアアーム交換術まで詳しく解説してきました。
あらためて結論をお伝えすると、走行5万〜8万キロ前後で現れる段差の突き上げショックやブレーキング時のグラつき、高速道路でのハンドルのフラつきは、2トン超の車体を支えるロアアーム後側No.2ブッシュの亀裂・油漏れが主因であり、タイヤの偏摩耗や車検不合格を防ぐためにも早めのリフレッシュが不可欠になるということです。
最後に、愛車のヴェルファイアの足回りを最もコスパ良く完璧に蘇らせるための4つの重要ポイントを振り返っておきましょう。
1つ目は、平坦な駐車場でハンドルを左右いっぱいに切り、スマホのライトでフロントタイヤ後ろ側にある大型No.2ブッシュの深い裂け目や黒いオイル染みを定期的にセルフ点検することです。
2つ目は、修理する際はプレス工賃が高くつき先端のボールジョイントが古いまま残る「ブッシュ単体打ち替え」ではなく、ブッシュ2個とボールジョイントがすべて新品で組まれた『ロアアームAssy丸ごと交換』を選ぶことになります。
3つ目は、街の整備工場で『三恵工業(555/スリーファイブ)やGMB製の国産優良OEMロアアームAssy』を指定して左右ペアで交換し、ディーラー純正より3万〜4万円賢く費用を抑えることでしょう。
そして4つ目は、組み付け時に必ずタイヤ接地状態の角度で固定する『1G締め』と『4輪アライメント調整』を実施してもらい、ブッシュへのねじれ負荷(プリロード)とタイヤの内減りを完全に防ぐことに尽きます。
フロントロアアームを左右とも新品に一新したヴェルファイアは、段差を「タタン!」と静かにいなし、高速道路でも矢のようにビシッと真っ直ぐ走る新車時の感動的な乗り味を取り戻してくれるはずです。
ぜひ今回の記事を参考に、まずは駐車場でハンドルを切って愛車のロアアームブッシュを覗き込み、ご家族みんなが快適にくつろげる最高のヴェルファイアライフを長く楽しんでくださいね。



