こんにちは。アルヴェル&ハイエース完全ガイド 運営者の「ホシ」です。

ヴェルファイアのエンジンルームでラジエーター周辺にピンク色の粉や結晶を見つけて驚いた方も多いはず。

そのピンクの跡は冷却水が滲み出た決定的な水漏れサインであり、放置はオーバーヒートを招きます。

今回は部品プロの視点から漏れの原因箇所と緊急対処法、修理費用を安く抑える方法まで解説しましょう。

この記事のポイント

  • ピンク色の粉の正体とラジエーター水漏れの4大原因
  • 走行8万キロ超の寿命目安とオーバーヒートの危険性
  • 出先で水漏れや水温上昇が起きた時の安全な緊急対処法
  • ディーラーと整備工場の修理費用比較と予防整備のコツ

ヴェルファイアのラジエーターから漏れるピンクの正体

洗車のついでにヴェルファイアのボンネットを開けたとき、ラジエーターの上部やゴムホースの繋ぎ目に、まるでピンク色のチョークの粉やサンゴのような塊がこびりついているのを見るとドキッとしますよね。

ヴェルファイアのエンジンルーム内でラジエーターアッパータンクとホース接合部のピンク色の漏れ跡を確認する若い日本人男性
高温になるラジエーターの樹脂製アッパータンクやホースの隙間から漏れたピンク色の冷却水は水分が蒸発して粉状に固着する

私は自動車部品メーカーのセールスとして東京と山梨の二拠点移動でヴェルファイアを走らせていますが、アフターマーケットの現場でも走行8万キロを超えた20系や30系オーナーから最も多く相談されるのがこの「ピンクの粉」なのです。

まずは結論として、なぜ地面に水たまりがなくてもピンク色の粉が付着するのかという化学的な仕組みと、ヴェルファイアで水漏れが多発する4つの原因箇所から順番に紐解いていきましょう。

ピンクの粉や白い結晶は冷却水が蒸発した水漏れ跡

結論からお伝えすると、ヴェルファイアのラジエーターやエンジンルーム内に付着している「ピンク色の粉(時間が経つと白っぽく変色した塊)」の正体は、間違いなくエンジンを冷やすための『冷却水(クーラント)が漏れ出して乾燥した結晶』です。

トヨタ車のヴェルファイアには、新車時から長寿命タイプの純正冷却水『スーパーロングライフクーラント(SLLC)』が充填されており、ウォッシャー液やエンジンオイルなどの他の液体と一目で区別できるよう鮮やかなピンク色に着色されています。

なぜ液体ではなく「ピンク色の粉」として残るのかというと、走行中に約90℃〜100℃の高温になるラジエーターの微細な隙間から冷却水が少しずつ滲み出た際、熱によって水分(H2O)だけが瞬時に蒸発し、主成分のエチレングリコールと防錆添加剤・ピンク色染料だけが結晶化して表面に盛り上がるからなのです。

一般社団法人日本自動車連盟(JAF)の公式Q&Aでも、ラジエーターはエンジンの熱を奪った冷却水を冷やす重要な装置であり、経年劣化やホースのひび割れによって着色された冷却水が漏れるとオーバーヒートの原因になると解説されています(出典:一般社団法人日本自動車連盟(JAF)公式『クルマ何でも質問箱:クルマのラジエーターとは?仕組みや故障時のサイン、水漏れ時の対処法を紹介』)。

つまり「駐車場の地面にピンクの水たまりができていないからまだ大丈夫だろう」と考えるのは非常に危険で、熱で蒸発するスピードと滲み出るスピードが釣り合っている初期〜中期の段階では、地面には1滴も落ちずにピンクの粉だけが増え続けるわけですね。

さらに冷却水の成分であるエチレングリコールは加熱されると「綿あめやメープルシロップのような独特の甘い匂い」を放つ性質があるため、走行後にフロントグリル付近から甘い匂いがしたり、半透明のリザーバータンクの液面がLOWより下がっていたりする場合は確実に水漏れが進行していると判断してください。

ピンクの粉を1箇所でも見つけたら、それは愛車のヴェルファイアが発している「破裂する前の早期SOSサイン」だと受け止めることが大切ですよ。

アッパータンクの樹脂カシメ部やホースの劣化原因

では、ヴェルファイアのラジエーター周辺において、具体的にどのパーツが劣化してピンク色の冷却水が漏れ出してくるのでしょうか。

部品メーカーの視点でヴェルファイアの水漏れ事例を分析すると、全体の約7割〜8割が『ラジエーター本体のアッパータンク(上部の黒い樹脂部分)』と『ゴム製ラジエーターホースおよび樹脂製フィラーネック』に集中しています。

1つ目の最大の原因箇所であるラジエーター本体は、真ん中の銀色をした「アルミ製コア(放熱部)」の上下に、黒い「ガラス繊維強化ナイロン樹脂製のタンク」をゴムパッキン越しに金属の爪でカシメて結合した構造になっているのが特徴です。

エンジンから出てきたばかりの約95℃〜100℃の熱湯が最初に流れ込む上側の「アッパータンク」は、毎日の運転で「冷間時の収縮」と「高温高圧時の膨張」を何千回も繰り返す過酷な環境にさらされています。

すると7年〜10年ほど経過した頃から、ナイロン樹脂が冷却水の熱と水分による『加水分解』で黒色から茶褐色へと変色して脆くなり、アルミコアとのカシメ部分のゴムパッキンが潰れて隙間が空いたり、樹脂タンク表面に細かいひび割れ(クラック)が入ったりしてピンクの粉が噴き出すのですね。

そして2つ目の原因箇所が、エンジンとラジエーターを繋いでいる太いゴム製の「アッパーホース・ロアホース」と、20系や30系ヴェルファイアで採用されている樹脂製の「フィラーネック(ラジエーターキャップが付く注水口パイプ)」の劣化です。

ゴムホースが熱で硬くなって繋ぎ目の隙間からピンクの結晶が盛り上がったり、ホースの差し込み口にある樹脂製パイプが経年劣化でポロッと欠けて冷却水が一気に噴き出したりするケースが非常に多いため、ホース両端の金属バンド周りも必ず点検しましょう。

黒い樹脂のアッパータンクが茶色っぽく変色していたら、いつ大きな亀裂が入ってもおかしくない寿命末期の状態と言えます。

れいちゃん
れいちゃん
ラジエーターって全部が金属でできているのかと思ったら、上と下の黒いタンク部分は樹脂パーツを爪でカシメて作られているんだね!
ホシ
ホシ
そうなんです!特に上側のアッパータンクはエンジンから出たばかりの約100℃の冷却水を直接受け止めるので、7〜10年経つと樹脂やパッキンが熱で劣化してピンクの粉が滲みやすくなるんですよ。

ラジエーターキャップやウォーターポンプの漏れ箇所

ラジエーター本体やホース類と並んで、ヴェルファイアの冷却水漏れ点検で絶対に見落としてはいけない残りの重要ポイントが『ラジエーターキャップ』と『ウォーターポンプ(およびハイブリッド車のインバーター冷却系)』です。

冷えた状態のヴェルファイアのエンジンルームでラジエーターキャップとリザーバータンクの水位を点検する若い日本人男性整備士
エンジンが十分に冷えた状態でリザーバータンクの液量低下やラジエーターキャップ裏側のゴムパッキン劣化を点検する

ヴェルファイアのエンジンルーム内でピンク色の粉が付着しやすい「4大水漏れ箇所」の特徴と修理費用の目安を、一覧表にまとめましたのでご自身の愛車と照らし合わせてみてください。

水漏れが発生する部位 ピンクの粉が付く場所と症状 主な劣化メカニズム 修理費用の目安(税込)
①ラジエーター本体 上部樹脂タンクの繋ぎ目やコア表面 樹脂の加水分解割れ・パッキン硬化 約4.5万〜13万円(社外/純正)
②ホース・樹脂ネック 太いゴムホース両端や注水口の根元 ゴムの熱硬化と樹脂パイプ口元欠け 約1.8万〜3.5万円(LLC込)
③ラジエーターキャップ 金属キャップの周囲やサブタンク側 圧力弁のバネへたりとゴムの潰れ 約1,500円〜3,500円
④ウォーターポンプ エンジン横のベルト奥・プーリー裏 回転軸シールの摩耗で水抜き穴排出 約3.5万〜6.5万円

見落としやすい3つ目の箇所が『ラジエーターキャップ』で、単なる蓋ではなく冷却水回路に約88kPa〜108kPa(約0.9〜1.1気圧)の圧力をかけて水の沸点を120℃近くまで引き上げる「圧力調整バルブ」の役割を担っています。

このキャップ裏側のゴムパッキンやバネが劣化すると、本来耐えられるはずの圧力で弁が開いてしまい、キャップの隙間からピンクの粉が吹いたり、リザーバータンク側へ冷却水が過剰に吹き返して溢れ出したりするのですね。

そして4つ目が、エンジン横(助手席側奥のファンベルトが掛かっている部分)にある『ウォーターポンプ』からの水漏れで、ポンプ内部の軸シールが摩耗すると「水抜き穴(ドレンホール)」からピンク色の結晶がツララのように垂れ下がり、「ゴーッ」「キュルキュル」という異音が発生するようになります。

またハイブリッド車のヴェルファイア(AYH30WやAAHH40W等)には、エンジン用とは別にもう1つ『インバーター(PCU)冷却用のリザーバータンクと電動ウォーターポンプ』が搭載されているため、左右2つのタンク両方の液面とピンク跡を確認することが重要ですよ。

走行8万キロや7年超で水漏れが急増する寿命の目安

「自分のヴェルファイアはまだ6万キロしか走っていないのに、どうしてラジエーターからピンクの粉が出てきたのだろう」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

自動車部品の耐久設計において、ヴェルファイアのラジエーターや冷却系ゴムホースが寿命を迎える目安は『走行距離8万キロ〜10万キロ』または『新車登録から7年〜10年』のどちらか早い方とされています。

なぜ走行距離が少なくても7年〜10年で水漏れが急増するのかというと、ラジエーターのアッパータンクに使われているナイロン樹脂やホースの合成ゴムは、走行距離だけでなく「時間の経過とエンジンルーム内の熱こもり」によって少しずつ硬化が進む素材だからです。

特にヴェルファイアは車両重量が2.2トン〜2.5トンもある重量級ボディでありながら、高い静粛性を保つためにエンジンルームの下側が大きなアンダーカバーで覆われており、遮音材も分厚く張り巡らされています。

そのため、夏場の渋滞路や高速道路の登坂車線を走ったあとに駐車場へ停めると、エンジンルーム内に90℃近い熱気が長時間こもり続け、一般的なコンパクトカーやセダンに比べてラジエーターの樹脂タンクやゴムホースへの熱ダメージが蓄積しやすい環境にあるのですね。

特に20系ヴェルファイア(2008年〜2015年式)や30系前期モデル(2015年〜2017年式)はすでに新車から8年〜15年以上が経過しているため、走行距離が5万キロ前後の低走行車であっても、経年劣化によっていつカシメ部からピンクの冷却水が滲み出してもおかしくありません。

また、街乗りのチョイ乗り(1回10分程度の短距離走行)が多い車両や、逆に私のように高速道路と山道を毎週長距離移動する車両では、冷却水の温度変化と内圧の上下が激しいため、7年・8万キロをひとつの区切りとして冷却系のリフレッシュを計画するのが最も賢明な判断と言えるでしょう。

車検のたびに「まだ漏れていないから次回でいいや」と先送りせず、アッパータンクの色味やホースの弾力をチェックしておくことが大きな出費を防ぐ鍵になります。

水漏れ放置でオーバーヒートやエンジン故障に至る危険

もしラジエーター周辺にピンク色の粉が付着しているのに、「水温計も真ん中で安定しているし、普通に走れるから車検まで放置しよう」と乗り続けてしまった場合、ヴェルファイアにはどのような変化が起きるのでしょうか。

冷却水漏れによるトラブルが怖いのは、最初はほんのわずかな滲みだったものが、ある日突然「段階的かつ急速に」致命的なオーバーヒートへと進行してしまう点にあります。

まず第1段階として、ラジエーターからピンクの冷却水が少しずつ抜けてリザーバータンクが空になると、代わりにラジエーター内部へ空気が吸い込まれて配管内に気泡が溜まる『エア噛み』という現象が起きるのです。

このエア噛みが起きると、エンジンルームの高い位置を通っている室内暖房用の「ヒーターコア」に温かい冷却水が回らなくなるため、『冬場に暖房(A/Cオフ・温度HI)をつけてもぬるい風や冷たい風しか出ない』『ダッシュボードの奥からチョロチョロと水の流れる音がする』という異変が現れるのですね。

さらに放置して第2段階へ進むと、脆くなっていた樹脂製アッパータンクの亀裂が高速道路の追い越しや登坂時の高い内圧に耐えきれず「パキッ!」と一気に裂け、白い水蒸気とともにピンク色の冷却水が数分で全量噴出してしまいます。

するとメーター内の赤い『高水温警告灯(水温計マーク)』が点灯し、エンジンを冷やす水がなくなったことで燃焼室の温度が異常上昇する「オーバーヒート」へ直結するでしょう。

現代のヴェルファイアのエンジン(2AR-FEや2GR-FE、A25A-FXS等)は軽量なオールアルミ製ブロックとアルミ製シリンダーヘッドで作られているため、一度でも深刻なオーバーヒートを起こすと熱でヘッドが歪んでガスケットが抜け、エンジン載せ替えで50万円〜80万円もの高額修理が必要になってしまいます。

5万円〜7万円のラジエーター交換を惜しんだ結果、愛車のヴェルファイアのエンジンと高いリセールバリューを同時に失うことになりかねませんので、ピンクの粉を見つけた時点での早期修理が鉄則ですよ。

れいちゃん
れいちゃん
「暖房の効きが悪くなる」のもラジエーターの水漏れで空気が入っているサインなんだね!放置してエンジン載せ替えで50万円以上になるなんて怖すぎるよ!
ホシ
ホシ
本当にそうなんです。アルミ製のエンジンは熱による歪みにとても敏感なので、警告灯が赤く光る前の「ピンクの粉が見つかった段階」で直すのが一番お財布にも車にも優しいですよ。

ヴェルファイアのラジエーター漏れとピンク跡の修理法

第1章では、ヴェルファイアのエンジンルームに見つかるピンク色の粉の正体や、アッパータンク・ホース・ウォーターポンプなど水漏れが発生しやすい4大箇所、そして放置した時のオーバーヒートリスクを確認してきました。

ここからは実践編として、もし外出先や高速道路のサービスエリアでピンクの冷却水漏れや水温上昇に気づいたとき、あなたと家族の安全を守りながらエンジン破損を防ぐための緊急対処ステップを解説します。

あわせて、市販のラジエーター漏れ止め剤を安易に使ってはいけない技術的な理由や、ディーラーの半額近いコストで新品ラジエーターへリフレッシュできる整備工場の活用法まで詳しく見ていきましょう。

出先でピンクの漏れや水温上昇に気づいた緊急対処法

ドライブ中や旅行先で「フロントから甘い匂いがする」「メーターの水温計が真ん中より上へ上がった(または赤い高水温警告灯が点いた)」「駐車場の地面にピンク色の液体が垂れている」と気づいたときは、パニックにならず正しい手順で行動することが何より大切です。

出先の安全な駐車スペースにヴェルファイアを停めてボンネットを開け冷却水漏れと水温計を確認する若い日本人女性ドライバー
出先で水温上昇や甘い匂いに気づいたら安全な場所へ停車してボンネットを開け絶対に熱いキャップには触れず状況を確認する

出先で冷却水漏れやオーバーヒートの兆候が出た際に、大火傷やエンジン焼き付きを防ぐ「緊急対処の4ステップ」を図解にまとめました。

出先でピンクの冷却水漏れ・水温上昇に気づいた時の緊急対処4ステップ

ステップ1:エアコン(A/C)を切り安全な広い場所へ速やかに停車する

エンジンの負荷を減らすため冷房をオフにし、路肩や駐車場へ安全に車を止める

ステップ2:水漏れや蒸気がある場合は即エンジンを止めボンネットを開ける

蒸気が噴き出している間は近づかず、収まってからボンネットを開けて風を通す

ステップ3:熱い間はラジエーターキャップを絶対に開けず30分以上冷ます

高温高圧時にキャップを開けると100℃超の熱湯が噴き出し大火傷するため厳禁

ステップ4:液面と漏れ量を確認しポタポタ漏れていればレッカーを呼ぶ

微量の滲みなら冷えてから水を補充して工場へ、滴下漏れなら無理せずJAF等で搬送

トヨタ自動車の公式取扱説明書でも、オーバーヒート時は安全な場所に停車してエアコンを切り、エンジンが熱い間は冷却水や蒸気が噴き出してやけどをする恐れがあるため、絶対にキャップを開けないよう警告されています(出典:トヨタ自動車公式『ヴェルファイア 取扱説明書:オーバーヒートしたときは』)。

ここで重要な判断基準が「エンジンをすぐ切るべきか」という点で、冷却水が地面に漏れている場合や電動ファンが回っていない場合は、空焚きを防ぐために『即座にエンジンを停止して自然冷却させる』のが正解です。

逆に、水漏れはわずかな滲みだけでタンクに冷却水が残っており、登坂の負荷で一時的に水温が上がっただけなら、エンジンをかけたまま暖房を最高温度・最大風量にして熱を逃がしつつ水温が下がるのを待つと効率よく冷やせます。

もし地面にピンク色の水たまりができるほど漏れている場合や警告灯が消えない場合は、無理に自走せずJAFや自動車保険のロードサービス(レッカー搬送)を手配してくださいね。

市販の漏れ止め剤や水道水補充で注意すべき失敗リスク

ラジエーターにピンク色の粉を見つけたとき、多くの方が一度は考えるのが「カー用品店で売っている1,000円〜2,000円の市販ラジエーター漏れ止め剤を注入すれば、高い修理代を払わずに直るのではないか」という方法です。

しかし自動車部品のプロとして本音をお伝えすると、ヴェルファイアのラジエーター水漏れに対して『市販の漏れ止め剤』を投入することは、百害あって一利なしの危険な賭けになるため基本的におすすめできません。

なぜ漏れ止め剤を入れてはいけないのかというと、第1にヴェルファイアの水漏れの大多数を占める「樹脂製アッパータンクのカシメ隙間やひび割れ」は、水温と内圧の上昇によって隙間がパクパクと広がるため、漏れ止め剤の粒子では内圧(約1気圧)に耐えきれずすぐに再発してしまうからです。

そして第2のさらに深刻な理由が、漏れ止め剤に含まれている「固まりやすい繊維や樹脂粒子」が、冷却水通路のなかで最も狭くて繊細なパーツを詰まらせてしまう二次被害リスクになります。

特にヴェルファイアは広い室内を暖めるためにフロントとリアの2箇所に『ヒーターコア(極細のアルミ管が並んだ暖房用熱交換器)』を備えており、ここに漏れ止め剤が詰まると真冬に暖房が一切効かなくなり、ダッシュボードを全分解するヒーターコア交換で15万円以上の修理費がかかる失敗が実際に多発しているのですね。

また、応急処置としてリザーバータンクに「水道水」を補充すること自体は緊急時には有効ですが、水道水だけを何度も継ぎ足してそのまま何ヶ月も乗り続けるのも厳禁です。

水道水でピンク色のクーラント(SLLC)が薄まると、冬場に氷点下で冷却水が凍ってラジエーターやエンジンブロックを内側から破壊したり、防錆成分が失われてウォーターポンプや配管内部に赤錆が発生したりするため、水道水を足した後は必ず早めに水漏れ修理とクーラント全量交換を行うようにしましょう。

同じくアッパータンクの外側から耐熱パテやエポキシ接着剤を塗るDIY補修も、ナイロン樹脂には接着剤が定着せず高圧で吹き飛ぶため、根本的な部品交換こそが唯一の解決策になります。

れいちゃん
れいちゃん
1,500円の漏れ止め剤で直ればラッキーと思っていたけど、ヴェルファイアの前後ヒーターコアが詰まって暖房が壊れたら15万円もかかるなんて絶対やめておくよ!
ホシ
ホシ
はい、そこが一番怖い落とし穴なんです!樹脂タンクの割れやカシメ漏れは内圧がかかるのでケミカルでは止まりませんし、社外新品ラジエーターを使えば適正価格でスッキリ完治できますよ。

ディーラーと整備工場のラジエーター交換費用比較

ヴェルファイアのラジエーター水漏れを修理する場合、トヨタディーラーと街の整備工場(または専門店)ではどのくらい費用に差が出るのでしょうか。

明るい整備工場でヴェルファイアの新しい社外優良ラジエーターとホース類の同時交換見積もりを説明する若い日本人男性整備士
社外優良新品のラジエーターと上下ホースやサーモスタットを同時交換すればディーラー純正交換より費用を大幅に抑えられる

ディーラーでの「純正新品交換」と整備工場での「社外優良新品(KOYORAD等)交換」の総額内訳を比較表にまとめました。

費用項目 ①ディーラー(純正新品) ②整備工場(社外優良新品)
ラジエーター本体 約48,000円〜75,000円 約18,000円〜32,000円(コーヨーラド等)
ホース・サーモ等 約10,000円〜18,000円 約8,000円〜15,000円
冷却水+交換工賃 約25,000円〜38,000円 約18,000円〜28,000円
修理総額の目安 約83,000円〜131,000円 約44,000円〜75,000円(約4万円お得)

部品プロの視点からおすすめしたい修理法は、街の整備工場に依頼し、国内トップメーカーである『KOYORAD(コーヨーラド)』や『DENSO(デンソー)』製の社外優良新品ラジエーターで交換してもらう方法です。

コーヨーラドやデンソーは純正OEM供給を行う専門メーカーであり、冷却性能も耐久性も純正品と同等ながら、部品代を半分以下に抑えることができます。

さらに将来の再修理工賃を節約するため、同時に交換しておきたい推奨パーツを図解にまとめました。

工賃の二重払いを防ぐ!「同時リフレッシュ5点セット」

1. 社外優良新品ラジエーター本体(KOYORAD / デンソー等)

純正同等の放熱性能と耐久性を持つ新品へ丸ごと交換する

2. ラジエーターアッパーホース&ロアホース+バンド一式

脱着時に必ず外すため同時交換なら追加の工賃がほぼかからない

3. 樹脂製フィラーネック(注水口)&新品ラジエーターキャップ

割れやすい樹脂注水口と圧力弁キャップを新品にして内圧を正常化する

4. サーモスタット+SLLC全量交換&真空エア抜き作業

冷却水を抜いたついでに水温調整弁も一新し前後ヒーターまでエア抜き

ラジエーター交換時は冷却水を抜き取り上下ホースも外すため、この時に『上下ゴムホース・樹脂フィラーネック・サーモスタット・キャップ』を一緒に新品へ替えておけば、追加の分解工賃をほぼゼロに抑えられるのです。

後からホースやサーモスタットが壊れて再度クーラント交換工賃(約1.5万円)を払うより経済的で、今後7年〜10万キロは水漏れの不安から解放されますよ。

ラジエーター水漏れやピンクの結晶に関する質問

ここでは、ヴェルファイアのラジエーター水漏れやピンク色の結晶に関して、読者のあなたからよく寄せられる4つの質問へ順番にお答えしていきましょう。

ピンク色の冷却水に緑や赤のクーラントを混ぜていいのかという疑問や、水漏れした状態で車検に通るのかなど実務で役立つ知識をまとめましたのでチェックしておいてください。

Q1. 減ってしまったピンク色の冷却水(SLLC)に、市販の「緑色」や「赤色」のクーラントを継ぎ足しても大丈夫ですか?

A. いいえ、異なる色のクーラントを混ぜるのは避けてください。トヨタ純正のピンク色SLLCに緑色や赤色の従来型LLCを混ぜると、化学反応で沈殿物が出たり長寿命の防錆性能が低下したりします。補充時は必ず「トヨタ車対応のピンク色SLLC」または「全色対応の補充液(緊急時は水道水)」を使用してください。

Q2. ラジエーターのアッパータンクにピンク色の粉が少しついている状態ですが、このまま車検に通りますか?

A. 検査時に冷却水が滴り落ちていたり、リザーバータンクがLOWレベルを下回っていたりする場合は保安基準不適合となり車検に通りません。仮に乾いた粉を拭いて一時的に通過できても、走行中に亀裂が広がってオーバーヒートする危険が高いため、車検と同時に交換するのが賢明です。

Q3. エンジンルームに付着して固まったピンク色の粉(結晶)は、修理後にどうやって落とせばいいですか?

A. クーラントの結晶は水溶性ですので、エンジンが冷えている状態でぬるま湯を含ませたウエスや柔らかいブラシで優しく拭けば簡単に溶けて落ちます。ただし、修理前に拭き取ると整備士が漏れ箇所を特定しにくくなるため、必ず工場で見てもらってから清掃してもらってください。

Q4. 30系ヴェルファイアのハイブリッド車に乗っていますが、冷却水のリザーバータンクがエンジンルームに2つあるのはなぜですか?

A. ハイブリッド車には、①エンジンを冷やす冷却水回路と、②高電圧のハイブリッドシステム(インバーター)を冷やす専用冷却水回路の「独立した2系統」が搭載されているためです。どちらも同じピンク色のSLLCが入っていますので、点検時は2つのタンク両方の水位を確認してください。

とくにQ3でお伝えした通り、ピンク色の結晶は水漏れ箇所を特定するための重要な手がかりになりますので、自分で洗剤をかけて洗い流してしまう前に、まずはスマホでピンクの粉が付いている場所の写真を撮って整備工場へ見せると、見積もりから部品手配までが驚くほどスムーズに進みますよ。

ヴェルファイアのラジエーター漏れとピンク対策総括

ラジエーターと冷却水の予防整備を終えたヴェルファイアの前で安心した笑顔を見せる若い日本人夫婦
ピンク色の粉を見逃さず早めにラジエーターとホース類をリフレッシュすればヴェルファイアで10万キロ以降も安心して走れる

ここまで、ヴェルファイアのラジエーター周辺に付着するピンク色の粉の正体や4大水漏れ箇所、放置した時のオーバーヒートリスク、出先での緊急対処法、そして修理費用を安く抑える社外優良新品の活用術まで詳しく解説してきました。

あらためて結論をお伝えすると、エンジンルーム内のピンク色の粉はトヨタ純正冷却水(SLLC)が滲み出て乾燥した確実な水漏れサインであり、オーバーヒートでエンジンを壊す前に早めの部品交換を行うことが最大の防御になるということです。

最後に、大切な愛車のヴェルファイアを冷却水漏れから守るための4つの重要ポイントを振り返っておきましょう。

1つ目は、ラジエーター上部の黒い樹脂タンク(アッパータンク)のカシメ部やゴムホース両端、ウォーターポンプ周りに「ピンク色の粉」や「甘い匂い」がないか、洗車時にリザーバータンクの液量とあわせて点検することです。

2つ目は、出先で水温上昇や激しい水漏れに気づいたらすぐにエアコンを切って安全な場所へ停車し、高温高圧になっているラジエーターキャップには絶対に手を触れず、冷えるのを待つかロードサービスを呼ぶことになります。

3つ目は、ヒーターコア詰まりなどの二次被害を招く市販の漏れ止め剤には頼らず、街の整備工場や専門店で『KOYORAD(コーヨーラド)やデンソー等の社外優良新品ラジエーター』を選べば、純正同等の品質で修理代を約4.5万〜7.5万円に抑えられることでしょう。

そして4つ目は、ラジエーター交換時に「アッパー/ロアホース・樹脂フィラーネック・サーモスタット・ラジエーターキャップ・SLLC全量」をまとめて同時リフレッシュし、工賃の重複を省いて今後10万キロの安心を手に入れることに尽きます。

冷却系統さえしっかりリフレッシュしておけば、ヴェルファイアが持つ極上の乗り心地と高い資産価値(リセールバリュー)を15万キロ、20万キロ先まで長く維持することができるはずです。

ぜひ今回の記事を参考に、まずは次の休日の朝、エンジンが冷えている状態でボンネットを開けてリザーバータンクの水位とラジエーター上部のチェックから始めてみてくださいね。

れいちゃん
れいちゃん
ピンク色の粉を見つけたら放置しないで、整備工場でコーヨーラドなどの社外新品ラジエーターとホース類をセットで交換してもらうのが一番安心でお得なんだね!
ホシ
ホシ
はい!ピンクの粉はヴェルファイアが「破裂する前に気づいて!」と教えてくれている大切なサインですので、早めにリフレッシュしてこれからも家族で快適なドライブを楽しんでくださいね!