ヴェルファイアのエンジン白煙!2.4Lオイル異常消費の現実
こんにちは。アルヴェル&ハイエース完全ガイド 運営者の「ホシ」です。
ヴェルファイアのマフラーから青白い白煙が出たり、オイルが急激に減ったりすると焦りますね。
実は20系の2.4Lエンジンではオイル上がりと下がりが起きやすく、放置すると焼き付きで修理代が40万円を超えるのです。
今回は部品プロの視点で白煙の原因と修理費用、延命対策を解説しましょう。
この記事のポイント
- 加速時のオイル上がりと始動時のオイル下がりを見分ける特徴
- 20系2.4Lの2AZエンジンでオイル異常消費が多発した理由
- ピストンリング交換やリビルト載せ替えなど修理費用の比較表
- 高粘度オイルや添加剤でオイル減りを抑える現実的な延命手順
ヴェルファイアの白煙とオイル上がりや下がりの原因
ゆとりある室内の広さと堂々たるスタイルで今なお高い人気を誇る20系・30系ヴェルファイアですが、マフラーから「青白い白煙が出る」「焦げた油のような臭いがする」「オイル交換のたびにオイルが空寸前まで減っている」というトラブルに直面するオーナーは少なくありません。

私自身、自動車部品メーカーのセールスとしてピストンリングやオイルシールの品質評価に携わってきましたし、東京と山梨を往復する高速道路の登坂車線で2.4Lモデルのマフラーから青白い煙が立ち上る光景を何度も目にしてきました。
地面へのオイル漏れがないのにエンジンオイルが減って白煙が出る現象には、大きく分けて「オイル上がり」と「オイル下がり」の2つの原因が存在するため、まずはその構造的な違いと20系2.4L特有の弱点から紐解いていきましょう。
加速時の青白い煙!オイル上がりが起きる物理構造
エンジンオイルが燃焼室で燃えて白煙が出る1つ目の原因であり、ヴェルファイアの2.4Lモデルにおいて最も深刻なトラブルとなっているのが、エンジンの腰下(ピストン側)からオイルが侵入する『オイル上がり』という現象です。
オイル上がりとは、シリンダー(筒)のなかを上下運動している「ピストン」と「壁面」の隙間から、下側のクランクケース内に留まるはずのオイルが上部の燃焼室へせり上がってしまうトラブルにほかなりません。
ヴェルファイアの白煙原因「オイル上がり」と「オイル下がり」の違い
【オイル上がり】原因:ピストンリングの張力不足・固着・シリンダー摩耗
白煙の特徴:アクセルを踏み込んだ加速時や坂道・高速走行中に青白い白煙が出続ける
【オイル上がり】進行速度:1,000km〜3,000km走行で1L以上減る(20系2.4Lに多発)
対象:20系ヴェルファイア 2.4L(ANH20W/ANH25W)およびハイブリッド(ATH20W)
【オイル下がり】原因:シリンダーヘッド「バルブステムシール」のゴム硬化
白煙の特徴:朝一番のエンジン始動直後や長い信号待ち後の発進時にだけボワッと出る
【オイル下がり】進行速度:5,000km走行で0.5〜1L程度と緩やか(経年10年超え車)
対象:初度登録から10年・走行10万kmを超えたすべてのガソリン・ハイブリッド車
通常、ピストンの外周には3本の金属リングが装着されており、一番下にある『オイルリング』がワイパーのようにシリンダー壁面の余分なオイルを掻き落として下へ戻す役割を担っています。
しかし、劣化したオイルのスラッジ(燃えカス)でオイルリングが溝に固着したり、壁面を押す張力が低下したりすると、ピストンが下がるときに壁面のオイルを掻き落とせず上部の燃焼室にオイルが取り残されてしまうのです。
この残ったオイルがガソリンと一緒に爆発・燃焼するため、アクセルを深く踏み込んだ加速時や高速道路の登坂車線など、エンジン回転数が上がったときにマフラーから青白い白煙がモクモクと噴き出すわけですね。
走行中もバックミラー越しに白煙が見えたり、信号待ちからの加速で後続車に煙を浴びせてしまったりする場合は、ピストンリング側の「オイル上がり」が進行しているサインと判断してください。
朝一番の始動直後にボワッと出るオイル下がりの正体
加速時に煙が出るオイル上がりに対して、「朝一番にエンジンをかけた瞬間だけマフラーからボワッと白煙が出て、数分走ると煙がピタッと出なくなる」という症状であれば、エンジンの腰上(ヘッド側)が原因の『オイル下がり』が疑われます。

オイル下がりとは、エンジンの天井部分にあたる「シリンダーヘッド」から、空気と排気ガスの出入り口である吸気バルブ・排気バルブの軸(ステム)を伝って、エンジンオイルが重力で燃焼室のなかへポタポタと垂れ落ちてくる現象のことです。
ヴェルファイアのエンジン(4気筒なら16本、V6なら24本のバルブ)には、それぞれのバルブ軸の根元に『バルブステムシール(オイルシール)』と呼ばれる指先ほどの小さな合成ゴム製のパッキンが取り付けられており、ヘッド内部を循環する潤滑用のオイルが下へ漏れないよう密閉しています。
ところが、新車から8年〜12年・走行8万〜10万キロを超えてくると、エンジンの高熱とオイルの酸化劣化によってこのゴム製ステムシールがプラスチックのように硬く収縮し、金属のバルブ軸との間にミクロン単位の隙間が生じてしまうのです。
夜間に自宅の駐車場でエンジンを止めている数時間のあいだに、シリンダーヘッド上部に残っていたエンジンオイルがその劣化したシールの隙間から少しずつ伝い落ち、ピストンの頂上(燃焼室)に小さじ1杯ほどのオイル溜まりを作ります。
そして翌朝、あなたがスタートボタンを押してエンジンを始動した瞬間に、一晩かけて燃焼室に溜まっていたオイルが一気に燃え上がるため、「ボワッ!」という大量の白煙と焦げ臭い排ガスが30秒〜1分ほど噴き出す仕組みになっているのですね。
走り出してしまえば垂れ落ちてくるオイル量はごくわずかなので走行中の白煙は消えますが、長い信号待ちやアイドリングのあとに再発進した瞬間にも「モクッ」と煙が出るなら、ゴム製のバルブステムシールが寿命を迎えている証拠と言えるでしょう。
20系2.4Lの2AZでオイル減りが多発した理由
ここで多くのヴェルファイアオーナーが疑問に思うのが、「なぜ他のトヨタ車と比べて、初代20系ヴェルファイアの2.4Lモデル(ANH20W/ANH25W)や2.4Lハイブリッド(ATH20W)ばかりでこれほどオイル異常消費が多発したのか?」という点ではないでしょうか。
結論から言うと、20系ヴェルファイアに搭載された『2AZ-FE型(ハイブリッドは2AZ-FXE型)直列4気筒2.4Lエンジン』において、省燃費性能を追求するあまり採用された「ピストンとオイルリングの設計」に構造的な泣き所があったからですね。
当時の自動車業界では燃費基準の達成が至上命題となっており、2AZ-FE型エンジンの改良型では、ピストンが上下する際の摩擦抵抗(フリクションロス)を減らすため、ピストンリングがシリンダーの壁を押し付けるバネの力(張力)を従来よりも低く抑えた「低張力ピストンリング」が採用されたのです。
さらに問題となったのが、オイルリングがシリンダー壁面から掻き落としたオイルをピストンの内側へ逃がすための小さな通り道『オイルリターンホール(オイル戻し穴)』のサイズと数でした。
対策前のピストンには小さなオイル戻し穴が片側4箇所ずつしか開いておらず、オイル交換サイクルが延びたり街乗りの短距離走行を繰り返したりすると、高温で炭化したオイルのスラッジ(燃えカス)がこの小さな穴を塞いでしまったのです。
オイルの逃げ道である穴が詰まると、行き場を失ったオイルが熱で焼き付いてオイルリングそのものをピストンの溝にカチカチに固着(スティック)させてしまい、張力の低いリングが機能しなくなって「1,000キロ走るごとに1リットル以上オイルが燃えて消える」という異常消費を引き起こしました。
なお、同じ20系でも3.5L V6エンジン(2GR-FE型)や、後継である30系ヴェルファイアの2.5Lエンジン(2AR-FE型)ではピストンリングとオイル戻し穴の設計が根本から見直されているため、この極端なオイル上がりトラブルは「20系の2.4L(2AZエンジン)特有の持病」として部品業界でも広く知られているのですよ。
トヨタの9年保証延長の経緯と対策品交換の見分け方
この2AZ-FE型エンジンのオイル異常消費問題は国内外で非常に多くの報告が上がったため、トヨタ自動車も過去に公式の『保証期間延長(サービスキャンペーン相当の特別保証)』を実施した経緯があります。

通常、エンジン内部の主要部品に関するメーカー特別保証は「新車登録から5年間または10万キロまで」ですが、トヨタは対象となる2AZエンジン搭載車(20系ヴェルファイア・アルファード、エスティマ、ブレイド等)に対し、保証期間を『新車登録から9年間(走行距離無制限)』へと延長し、基準値(およそ1,200km走行で0.5L〜1.0L以上の消費)を超えた車両に対して無償で対策品ピストンおよびピストンリングへの交換修理を行ったのです。
対策品のピストンでは、スラッジ詰まりの原因だったオイルリターンホール(戻し穴)のサイズが拡大されるとともに穴の数も増設され、ピストンリングの張力とコーティング材質も適正化されたため、対策品へ交換されたエンジンではオイル異常消費がピタッと収まりました。
ただし、20系ヴェルファイアの最終モデル(2015年1月生産終了)であっても新車登録からすでに11年以上が経過しているため、2026年現在ではすべての20系においてこの「9年間の無償保証延長期間」は完全に終了している点に注意しなければなりません。
そのため、いま20系ヴェルファイアに乗っている方や中古車を購入しようとしている方が最も確認すべきなのは、「過去の9年保証期間内に、前オーナーがディーラーで対策品ピストンへの交換(腰下オーバーホール)を済ませている個体かどうか」という履歴です。
これを見分ける一番確実な方法は、車検証入れに入っている『定期点検整備記録簿(メンテナンスノート)』をめくり、「ショートブロック交換」または「ピストン・ピストンリング一式交換」の記載があるか、あるいは最寄りのトヨタディーラーで車台番号から過去の保証修理履歴を照会してもらうことですね。
水蒸気とオイル燃焼の白煙を見分ける3つのチェック
マフラーから白い煙が出ているとすべてオイル異常消費に見えてしまいますが、冬場の寒い朝に出る「正常な水蒸気(湯気)」や、ヘッドガスケット抜けによる「冷却水(LLC)燃焼の白煙」と見分けることが大切です。
自宅の駐車場で3分で判別できる「白煙の4タイプ比較表」を見てみましょう。
| 白煙の種類 | 煙の色と消え方 | 排気ガスの臭い | 発生タイミングと診断 |
|---|---|---|---|
| ①オイル上がり | 青白い煙・空中に長く漂う | 油が焦げた鼻をつく刺激臭 | 加速時や坂道で継続(重度) |
| ②オイル下がり | 青白い煙・始動後すぐ消える | 始動直後だけ油の焦げ臭い | 朝の始動時のみ発生(中度) |
| ③正常な水蒸気 | 純白の湯気・空中でパッと消える | 無臭(出口から水滴が垂れる) | 冬場や雨天の冷間時(正常) |
| ④冷却水の混入 | 真っ白な濃煙・暖機後も続く | シロップのような甘い匂い | 冷却水減少・水温上昇(危険) |
比較表にある通り、1つ目のチェックポイントは「煙の色と消え方」で、ガソリンが正常に燃えて発生した水蒸気であれば、ヤカンの湯気と同じようにマフラーから出た直後にスーッと空気中に溶けて消えていきます。
それに対してエンジンオイルが燃えている白煙は、どこか「青みがかった灰色〜白(青白い煙)」をしており、駐車場の空中にモヤのようにいつまでも漂って消えないのが特徴です。
2つ目のチェックポイントは「臭い」で、オイル上がりや下がりの白煙は天ぷら油や機械油が焦げたようなツンとする刺激臭がします(もし甘い匂いがする場合は冷却水が燃えているサインです)。
そして3つ目のチェックポイントは、エンジンが冷えているときにマフラーの出口の内側をティッシュで軽く拭ってみることで、乾いたススではなく「黒くベタベタした油混じりの煤(タール状の汚れ)」が付くなら間違いなくオイルが燃えていると診断できます。
まずは30分ほど走ってエンジンが十分に温まった状態で、マフラー出口のベタつきや排気臭をチェックし、水蒸気なのかオイル燃焼なのかを切り分けてみると良いでしょう。
ヴェルファイアの白煙やオイル上がり下がりの修理費
第1章では、ヴェルファイアから出る白煙の原因である「オイル上がり」と「オイル下がり」のメカニズム、そして20系2.4L(2AZ-FE型エンジン)でオイル異常消費が多発した理由を確認してきました。
ここからの第2章では、「もしオイル減りや白煙をそのまま放置して乗り続けたらどんな二次被害が起きるのか?」という重大なリスクと、オーバーホールやリビルトエンジン載せ替え、ステムシール交換にかかる修理費用相場を詳しく比較します。
さらに、数十万円の修理代をかけずにあと数年安全に乗り切りたいオーナーのために、部品プロが実践する「高粘度オイルと添加剤を使った現実的な延命メンテナンス術」まで解説していきましょう。
オイル減り放置が招くエンジン焼き付きと触媒の詰まり
「マフラーから少し白煙が出るけれど、普通に走れるから次の車検まで放っておこう」と考えるのは、ヴェルファイアの寿命を一瞬で終わらせてしまう極めて危険な判断です。
なぜなら、20系ヴェルファイアの2.4L(2AZエンジン)のオイル規定量はフィルター込みでも約4.3リットルと車格に対して少なめであり、オイル異常消費が始まるとわずか2,000キロ〜3,000キロ走っただけでオイルパンのなかが空っぽ近くまで枯渇してしまうからですね。
トヨタ公式取扱説明書でも、メーターに「エンジンオイル量不足 補充するか、交換してください」が表示されたときは直ちにエンジンオイル量を点検して補給すること、および「エンジン油圧不足」が表示されたときはただちに安全な場所に停車して連絡すること(走行を続けると危険であること)が厳重に警告されています(出典:トヨタ自動車公式『ヴェルファイア 取扱説明書:警告メッセージが表示されたときは(エンジン油圧不足・オイル量不足)』)。
油圧で制御されているVVT-i(可変バルブタイミング機構)はオイル量が減ると真っ先に油圧不足を起こし、エンジン始動時や加速時に「ガラガラガラッ!」「カンカン!」という激しい金属打音(異音)を鳴らし始めるのです。
そして赤い『油圧警告灯(魔法のランプのようなマーク)』が点灯したときには、すでにエンジン内部のクランクシャフトやコンロッドメタルの油膜が完全に切れており、その数分後には金属同士が溶着してエンジンが突然ロックする「エンジン焼き付き(エンジンブロー)」に至ります。
さらに見落とせない二次被害が、燃えたオイルのスラッジ(灰分)が排気管の途中にある高価な『三元触媒(キャタライザー)』や『O2センサー・A/Fセンサー』にびっしり堆積して目詰まりを起こすトラブルです。
触媒がオイルの燃えカスで詰まると、エンジンチェックランプが点灯して加速不良に陥るだけでなく、排ガス検査で車検に落ち、触媒交換だけで別途12万〜20万円もの追加出費が必要になるため、オイル減りの放置は百害あって一利なしと言えるでしょう。
オーバーホールやリビルト載せ替えと修理費用の比較表
では、ヴェルファイアのオイル上がりやオイル下がりを整備工場やディーラーで修理する場合、作業メニューによって総額いくらかかるのでしょうか。
延命処置からステムシール交換、腰下オーバーホール、リビルトエンジン載せ替えまでの費用相場を比較表にまとめました。
| 修理・対策メニュー | 対象の白煙症状 | 費用総額の目安 | 改善度とおすすめ判断 |
|---|---|---|---|
| ①高粘度油+添加剤 | 軽〜中度の上がり・下がり | 約6,000〜13,000円 | 改善度:中〜高(1〜3年延命向け) |
| ②ステムシール交換 | 始動時のみのオイル下がり | 約70,000〜150,000円 | 改善度:高(下がり単独なら根治) |
| ③ピストンリング交換 | 2AZの重度なオイル上がり | 約280,000〜450,000円 | 改善度:高(対策品組込で復活) |
| ④リビルト載せ替え | 重度のオイル減り+異音 | 約350,000〜550,000円 | 改善度:高(5年以上乗る方向け) |
比較表の「③ピストンリング交換」や「④リビルト載せ替え」にある通り、20系ヴェルファイアのオイル上がりを根本から完治させようとすると、エンジンを降ろして分解する必要があるため、整備工場でも約28万〜45万円、ディーラーでショートブロックやリビルトエンジンに載せ替えると約35万〜55万円という高額な費用がかかります。
もしあなたが「この20系ヴェルファイアをこれから先も5年・10万キロ以上乗り続けたい」とお考えなら、対策済みピストンと新品ステムシールが組み込まれた『保証付きリビルトエンジン』へ載せ替えるのが最も確実な選択です。
しかし、「次の車検か1〜2年のうちに30系や40系へ乗り換える予定」であれば、車両時価額に近い40万円もの修理代を払うのは経済的に得策とは言えません。
その場合は、次項の「①高粘度オイル+添加剤+定期補充」でオイル減りを抑えながら維持するか、あるいは海外輸出需要が底堅いヴェルファイアの特性を活かして、エンジンが焼き付く前に買取店で高値売却して乗り換える判断があなたの資産を守る賢い選択になりますよ。
高粘度オイルや添加剤による延命処置と点検の鉄則
エンジン載せ替えを行わずにヴェルファイアのオイル減りと白煙を抑え、安全に延命させるためには、日々のオイル管理を「省燃費重視」から『油膜保護・密閉重視』へと切り替える必要があります。

部品プロが過走行の2AZエンジンオーナーへ推奨している「4ステップ延命術」を実践してみてください。
ヴェルファイアのオイル減り・白煙を抑える4ステップ延命メンテ
ステップ1:オイル粘度を「0W-20」から「5W-30 / 10W-30」へ上げる
高温でも油膜が厚い高粘度オイルに変え、ピストンリング隙間からの侵入を防ぎます。
ステップ2:ゴム膨潤&油膜強化の「オイル消費抑制添加剤」を注入する
ワコーズEPS等をブレンドし、硬化したステムシールの柔軟性と密閉力を補います。
ステップ3:走行1,000km〜1,500kmごとにレベルゲージで油量を測る
暖機後にエンジンを止めて5分待ち、ゲージのLとFの間にあるか確認します。
ステップ4:補充用オイル缶を車載し、減った分をこまめに継ぎ足す
LからFまでは約1.0〜1.5Lです。半分以下なら500mlずつ補充して油圧を守ります。
まず効果が高い「ステップ1」がオイルの粘度変更で、トヨタ公式メンテナンスデータでも新車充填の0W-20に加えて『5W-30』が適合オイルとして明記されており、粘度の高いオイルは高速・高負荷走行に適していること、ならびに油量確認はエンジンの暖機後に停止して5分以上経過してからレベルゲージで行うことが記載されています(出典:トヨタ自動車公式『ヴェルファイア 取扱説明書:メンテナンスデータ(指定燃料・オイル量・推奨粘度)』)。
サラサラな「0W-20」は劣化したピストンリングの隙間をすり抜けて燃えてしまいますが、高温粘度の高い『5W-30』や『10W-30(重度なら10W-40)』へ変更するだけで、厚い油膜がクッションとなってオイル消費量が半分以下に減るケースが多いのです。
さらに「ステップ2」として、『WAKO’S(ワコーズ)エンジンパワーシールド(EPS)』や『RISLONE(リスローン)オイル消費リペア』などの添加剤をオイル交換時に1本混ぜると、硬化したバルブステムシールを柔軟に復活させ、特殊ポリマーがピストンリングの隙間を埋めて白煙を抑えてくれます。
あとはトランクに同じ粘度の補充用オイル缶を常備し、月1回または長距離ドライブの前にレベルゲージを引き抜いて減った分だけ継ぎ足す習慣をつければ、エンジンを焼き付かせることなく安全に乗り続けられるでしょう。
ヴェルファイアのオイル消費や白煙でよくある質問
ここでは、ヴェルファイアのオイル上がり・オイル下がりやマフラーの白煙に関して、読者のあなたからよく寄せられる4つの質問に回答します。
30系・40系での改善状況や車検の合否基準など、維持や買い替え判断に直結する重要ポイントをまとめましたので確認しておきましょう。
Q1. 30系ヴェルファイア(2.5L 2AR-FE)や新型40系でもオイル異常消費は起きますか?
A. 30系の2.5Lエンジン(2AR-FE型)や新型40系では、ピストンリング張力やオイル戻し穴の設計が根本から改良されているため、10万km以内に急激なオイル異常消費が起きるケースは大幅に減っています。ただし、オイル交換を1万km以上放置するとスラッジ固着が起きるため、5,000kmごとの定期交換は必須です。
Q2. マフラーから白煙が出ている状態でも、そのまま車検に通すことはできますか?
A. 暖機後もマフラーから青白い白煙が連続して出ている場合、排ガス検査や目視検査で「保安基準不適合(車検不合格)」となる可能性が高いです。軽度であれば車検前にエンジンオイルを硬めの粘度(10W-30等)へ交換し、ワコーズEPSなどの白煙止め添加剤を注入して走行しておくことでクリアできるケースがあります。
Q3. ピストンリングの固着を直すために、市販の即効性フラッシング剤を入れても大丈夫ですか?
A. 10万km以上走って内部にスラッジが溜まっている車両に、灯油系や高濃度溶剤系のフラッシング剤をいきなり投入するのは危険です。剥がれ落ちたスラッジ塊がオイルパン底の吸い込み網(ストレーナー)を詰まらせて焼き付くリスクがあるため、清浄性の高いオイルを3,000kmごとに交換して少しずつ汚れを落とす方法を選んでください。
Q4. オイルが減ったときに自分で継ぎ足す場合、今入っているオイルと違う銘柄を混ぜても平気ですか?
A. 油量不足のまま走って焼き付かせることに比べれば、銘柄が異なるオイルを継ぎ足しても実用上の問題はありません。ただし、添加剤バランスを保つため、オイル規格(API SP等)と粘度(5W-30や10W-30等)は同じものを揃えて補充し、3,000km〜5,000kmごとに全量交換を行ってください。
とくにQ4にある通り、出先でオイルレベルゲージが下限(L)を下回っているのに気づいたときは、銘柄にこだわらずカー用品店等で『5W-30』や『10W-30』のオイルを1リットル買ってすぐ補充することが、40万円のエンジンブローから愛車を守る一番の応急処置になりますね。
ヴェルファイアの白煙とオイル上がり下がりまとめ

ここまで、ヴェルファイアのマフラーから出る白煙の原因である「オイル上がり」と「オイル下がり」の構造的な違いから、20系2.4L(2AZ-FE型エンジン)でオイル異常消費が多発した理由、修理費用の比較、そして高粘度オイルと添加剤による延命処置まで解説してきました。
あらためて結論をお伝えすると、ヴェルファイアの白煙とオイル減りは「加速時に青白い煙が出るオイル上がり(ピストンリング側)」なのか、「朝一番の始動直後にだけボワッと出るオイル下がり(バルブステムシール側)」なのかを見極め、今後何年乗るかに合わせて対策を選ぶことが重要です。
最後に、エンジン焼き付きや触媒破損を防ぎ、大切な愛車と賢く付き合うための4つの鉄則を振り返っておきましょう。
1つ目は、20系ヴェルファイアの2.4L(ANH20W/ANH25W)およびハイブリッド(ATH20W)は構造上オイル上がりが起きやすく、トヨタの9年保証延長も終了しているため、月1回(1,000km〜1,500kmごと)のレベルゲージ点検を欠かさないことです。
2つ目は、オイル減りや白煙が出始めたエンジンにはサラサラな「0W-20」を入れず、油膜が厚く密閉性に優れた『5W-30』や『10W-30』などの高粘度オイルへ変更し、ワコーズEPSなどのオイル消費抑制添加剤を組み合わせることになります。
3つ目は、朝一番の白煙(オイル下がり)なら添加剤やステムシール交換(約7万〜15万円)で改善し、重度のオイル上がりを完治させてあと5年以上乗るなら対策品が組まれたリビルトエンジン載せ替え(約35万〜55万円)を検討することでしょう。
そして4つ目は、もし1〜2年以内に乗り換える予定であれば、高額な修理代をかける前に、海外輸出需要が高いヴェルファイアの資産価値を活かして買取店で査定してもらい、オイル消費対策済みの30系や40系へステップアップする選択肢も持っておくことに尽きます。
エンジンオイルは人間でいえば血液そのものですから、油量と粘度さえしっかり管理してあげれば、ヴェルファイアは高速道路でも山道でも頼もしい走りであなたと家族を支え続けてくれるはずです。
ぜひ今回のチェック法と延命ステップを参考に、今週末はボンネットを開けてオイルレベルゲージを点検し、安心で快適なヴェルファイアライフを楽しんでくださいね。



